はじめに

こんにちは。ヨメナルドです。
 5月に入り、雨の日が多く、空気もじめじめしているような気もします。いよいよ、梅雨の時期ですね。
 この頃、「出水期前に」とか、「出水期に備え」などという文言をニュースでよく聞くようになったと思います。文字通り「水が出る時期」ということで、洪水が多いのかなということがなんとなくわかるかと思いますが、はっきりとしたところまではわからない方もいるかと思います。
 そこで、今回は、「出水期」についての概要を説明していきたいと思います。

出水期とは

 出水期とは、おおよそ6月から10月までの梅雨時期から台風シーズンまでを指し、大雨で河川が増水しやすい時期です。期間は自治体や組織によって違い、例として、国土交通省の組織である関東地方整備局では、6月1日から10月31日まで、淀川河川事務所では、6月16日から10月15日まで、自治体の一つ新潟県は、6月15日から9月30日としています。期間は、地域の気象等の実情にあわせて設定されています。
 下記に、東京都の月別平均降水量をグラフ化しました。

www.data.jma.go.jp

 6月から10月までは、平均降水量が150㎜を超えています。東京地域も管轄である、関東地方整備局が設定する出水期と合致します。

 この出水期の期間は、河川が増水するため、原則として河川工事は行わないこととされているため、工事関係者も出水期に合わせて業務を調整しています。
 一般の私たちも、出水期に気を付けて生活しなければならないのは、降水量を見ても明らかかと思います。

 では、その出水期に向けて、どのような準備をしておけばいいでしょうか。

出水期に向けて、準備すること

 以下に、私たちができる出水期に向けて行える準備を、4つ、挙げてみました。

①日頃から気象情報・河川情報に関心を持つ

 皆さんが毎日観ている天気予報ですが、今日、明日の天気だけでなく、日頃から天気図等で台風の有無や場所について確認する癖をつけておく事をおすすめします。
 また、「川の防災情報」というサイトで近くの川の水位を確認したり、ライブカメラで川の状況を観たりすることもおすすめします。可能であれば、観たい水位観測所やライブカメラのページをブックマークしておくと、大雨の際にすぐに確認することができます。

水位観測所の画面

川の防災情報
www.river.go.jp

ライブカメラ画像

川の防災情報
www.river.go.jp

 さらに、気象庁の「キキクル」を知っておくことで、台風時に、土砂災害、浸水害、洪水災害の危険度を確認することができます。

洪水警報の危険度分布(令和元年東日本台風時)

キキクル
www.jma.go.jp

 図は令和元年東日本台風の際の状況を反映したキキクルの画面です。色が濃いほど洪水の危険が高いことを示しています。
 危険が可視化されているため、とてもわかりやすいです。

②自宅や会社、学校に浸水や土砂災害の危険があるか確認する

出水期に向けて、地理的・地形的な危険を確認しておくことも必要です。
各自治体のハザードマップや、国土交通省の「重ねるハザードマップ」で確認しましょう。
 確認することは、

・浸水の可能性。
  浸水する可能性がある場合は浸水の深さ・浸水している時間を確認します。

・土砂災害の可能性。
 大雨が降ると、地盤が緩んで土砂災害の危険性が高まります。その種類は、土石流、地すべり、急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)があります。

 どれも被害が起きたら甚大な被害が予想されるものなので、確認必須です。

 もし、自分が関係する場所に浸水や土砂災害の危険があった場合は、マイ・タイムラインの作成もおすすめします。
 マイ・タイムラインの詳しい説明は、防衛日報デジタルの防災コラムにてセイコさんが記事にしていますので、ぜひご一読を!

【防災コラム】避難する?いつ?どうする?今のうちに考えておく!マイ・タイムライン

③避難用品や備蓄品の確認

 台風や大雨の多い出水期に慌てないように、今のうちから、避難用品や備蓄品の再点検を。特に、ちょうど衣替えのシーズンなので、非常用持ち出し袋の中の服の衣替えもしておきましょう。

④防災イベントに参加

 出水期前は、防災イベントが多い時期でもあります。現在は、会場開催だけでなく、オンライン開催もあるので、オンラインですと、全国どこからでも参加が可能です!

さいごに

 いよいよ今年の出水期が来ます。10月ころまでの長丁場、いつ台風が来たり大雨が降るか、まだ誰も知りません。この記事を読んで出水期についてご理解いただき、皆さんの心が引き締まりましたら、幸いです。

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