PFAとは?

PFA(Psychological First Aid)
苦しんでいる人、助けが必要な人に同じ人間として行う人道的、支持的な対応。ケガや傷の場合は救急用品を用いた応急手当が思い浮かびますが、心のケアはどうすれば良いか?この心理面における応急的な手段として開発されました。
近年では2001年の米国同時多発テロ事件以降に急性期の効果的な治療・支援方法のひとつの枠組みとして作成されています。

PFAの特徴

特徴として精神科医や心理カウンセラーなどの専門家だけでなく、災害や事件、事故後に支援にあたる者すべての人向けに支援の基本的姿勢や心理、具体的な支援の進め方の手引きになっていることです。

PFAには、

・専門家にしかできないものではない
・カウンセリングとは異なる
・話したい人がいれば話を聞くが、無理やり話をすることはない

など、被災者の長期的な回復を目指すためのさまざまな要素が含まれています。

想定される実施状況

◯いつ?
危機的出来事を経験し、つらい状況にある人と最初にあった時。
つまり危機的状況下かその直後である。

◯どこで?
災害後の避難所、学校、病院、トリアージ実施現場など緊急事態が発生して支援が必要とされるあらゆる場所。

◯誰に?
危機的出来事にあったばかりの苦しんでいる人々(ただしすべての人がPFAを求めている訳ではない)

PFA活動原則

次にPFAの基本的な活動原則について概要をご紹介します。

◯見る
PFA実施前に周囲を「見る」ことで安全性を確かめ、状況を良く考えた上で行動できるようになります。以下は「見る」内容の一部です。

・周囲に更なる危険性が迫っていないか?
・重傷を負っている、身動きが取れないなど急を要するニーズを持っている人がいないか?
・動揺している、ショック状態など強いストレス反応を示している人がいないか?

◯聞く
危機的状況に陥った人の気持ちを落ち着かせるためにも「聞く」活動は重要になってきます。

・役に立てることはないか尋ねる
・起きたことに対して話したい事があれば、耳を傾ける
・話すことを無理強いしない

◯つなぐ
人々の自立を支援し、その人自身が状況を管理できるまで支援してあげる活動です。

・安全な場所、食糧・水などが確保出来る場へ繋ぐ手助けをする
・災害状況、自分たちの安全、自分たちの権利など最新の情報を提供する
・他の被災した家族や親族などへの連絡手段の提供、また被災者同士のコミュニティなど社会的支援と結びつける

まとめ

災害となれば真っ先に外傷への対応を思い浮かぶかもしれません。しかし災害後の心の傷への回復法に焦点をあてた手法はPFAが初めてではないでしょうか。
PFAは特別な訓練を受けた人が実施する訳ではありません。少しの知識を学べばあなたにもできるのです。

災害現場で人と人が支え合い生き抜く。PFAを知ることであなた自身が他の誰かの心の傷を回復する力になれるかもしれません。

〜参考文献〜
・一般社団法人 日本内科学会
・兵庫県こころのケアセンター
・心理的応急処置(サイコロジカル・ファースト・エイド)フィールドガイド日本語版

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