災害時の"食"(前編)では食べ物が体に与える影響と必要な栄養についてご紹介しました。
今回は後編になります。

基本食.配給食の限界

災害時にはそれまで普通に食べていたものが食べられなくなります。避難所における支援物資や食の提供(配給食)はもちろん有難いです。

しかし、
・炭水化物が多い
・揚げ物がメイン
・美味しくない等
様々な問題もあります。

また食の制限がある人(宗教上、アレルギー、思想等)、高齢者、子ども達においては避難所で提供される食事では中長期的にみれば乗り切れないのが実情です。

ボランティアの活動

昨今では災害時の食の問題を解決するために、NPOや企業.地方団体による炊き出しや、子ども達への食の提供など個別に対応した食事を提供するといった事も少なくありません。

事実、1995年の阪神・淡路大震災の際は地元の農家団体が炊き出しにあたり、野菜豊富な料理が提供され多くの人が栄養の偏りから助かったと言われています。
このように有事の際は行政だけでなく、ボランティア団体の活動が大きな力を発揮する事もあるのです。

災害時の食に関する意外な事実

再度、阪神・淡路大震災を例に災害時における意外な事実をご紹介します。

それは被災者は食べ物が制限され、生きる事に精一杯である環境にも関わらず、約半数の方が
"調理をすること"を希望していたという事。

その理由として、
・各家族の好みにあった食べ物を得たい
・食べ物を自由に選択したい
・早く日常に戻りたい

つまり、人は危機的状況の中でも目の前にある食べ物(配給食やレトルト)より、自分で作って食べる事を選択するのです。

これは当たり前の日常にいち早く戻りたいという思いから来るものだと考えられます。

避難生活における満足度を高める食べ物とは?

阪神・淡路大震災では食料の提供が問題になりました。乾パンや加工品、揚げ物の多い食事により、栄養が偏り食欲減退.寝不足.便秘など体調不良を訴える方が多かったそうです。

そんな中で喜ばれたのが先にも紹介したボランティア団体による炊き出し。野菜が多かったり、魚など新鮮な食材も使われていたそうです。

何より温かいご飯温かい味噌汁など普段から食べ慣れているものこそが被災者の方たちの満足度を高め、体調改善に繋がったそうです。

有事の際の食の役割

このことから災害時にはただ単に"備蓄食"や"配給食"だけでは乗り切れない事が分かります。
「ただでさえ物資が不足している中、そういった食事を求めるのは贅沢では?」と思われるかもしれません。
しかし、最悪条件下での食の役割は、お腹を満たす事だけでは無いのです。

人が危機的状況において生き抜く為に、大切な事の一つに前向きである事が挙げられます。この精神状態を維持する為にも、心をどう保つかがキーポイントになります。
そして温かく美味しい、食べ慣れた食事は心を落ち着かせ、"当たり前の日常"を感じさせてくれるのです。

つまり、有事の際の食の役割は‥

その為にも支援体制の整備やご近所との付き合い、ひいては人々の繋がりがより一層求められるのではないでしょうか。

参考資料
・阪神.淡路大震災避難所における被災者の食生活の実態と問題点
・震災下の「食」神戸からの提言

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