デジタル版の連載記事「I♡JSDF(アイ・ラブ・ジェーエスディーエフ)」。この記事は、インターネットなどで活動している自衛隊好きな皆さんをインタビュー取材し、その活躍を多くの方に知ってもらおう!という読み物企画。今回は第2弾「ブルーインパルスファンネット」さんの後編をお送りいたします。

業界初の「ブルーインパルス」小説を執筆!?

 -管理人さんは小説家としての顔もお持ちだそうで。

管理人さん:小説家と名乗るほど立派なものではないのですが、もう10年以上前の発売になりますか、ブルーインパルスの小説が他になかったので、本名の今村義幸として書きました。「スカイクリア」は、"初のブルーインパルス小説"だったと思います。出版社は同じ幻冬舎ですが、有川浩先生の「空飛ぶ広報室」よりも前のことでした。

スカイクリア - 幻冬舎より2009年8月1日発売

ブルーインパルスファンネット様ご提供

 -そうなんですね。ということは、もしかしたらガッキー主演でドラマ化されていた可能性もあったかも?ですね。

管理人さん:確かに、主人公は容姿端麗の28歳という設定でしたから、あり得たかもしれませんね。もしそうだったら絶対サインもらってましたよ(笑) それと、新垣結衣さんにも「空飛ぶ広報室」より前のブルーインパルス伝説がありまして、ブルーインパルスが観音崎の防大で飛んだ時に、その帰りに横浜を通過して、元々横浜は開港祭で飛んだ場所ですから、ご挨拶の意味もあったと思うのですが(実際には他VFR機に対して自機の位置を知らせる意味もあったと思いますが)スモークをオンして通過したのです。そこで新垣結衣さんがたくさんのファンの人たちとCMの撮影をされていました。ブルーインパルスのスモークは、新垣結衣さんがそこにいることを知っていたわけではないのでしょうけど、新垣結衣さんがそれを見て感動して涙を流されていた映像がどこかに残ってると思います。そういう意味ではその後の「空飛ぶ広報室」には美味しいところを全部持っていかれました(笑)

-なるほど!ある意味レアものの「スカイクリア」ですが、手に入れようとすると古本屋さんで探すしかないみたいですね。調べたらamazonでは3,300円のプレミアがついてますよ!

管理人さん:もう絶版なので、手に入りにくいだけだとは思いますが。実は、2冊目の本も執筆し始めたんですよ。御社がもし書籍にもご興味があるようでしたら、ぜひ出版の検討をお願いしたいです(笑)

 -そのお話は、お酒でも飲みながらゆっくりと…先生。

管理人さん:わかりやすい方ですね(笑) まあ、まだ出せるかどうか決まっているわけではありませんが、最初のとは違ってライトSF小説みたいなスリリングなお話にしたいと思っています(笑) 本当に出たら、また防衛日報デジタルで紹介してくださいね!

ブルーインパルスファンネット管理人 - 今村義幸さん(2016年)浜松広報館にて

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15年の歩みを振り返る…

-15年の活動の中で、思い出に残るエピソードなどあれば教えてください。

管理人さん:2005年5月15日の静浜航空祭で(当時)飛行班長1番機の吉田信也さんが曲技飛行の展示デビューをされました。悪天候で航過飛行からスタートし、水平区分の曲技飛行に区分変更し、最後には最上位縦区分の1区分に達した、デビューから波乱の曲技飛行展示だったのですが、その区分の変遷を、終わったばかりのぬかるんだ駐車場からノートパソコンにPHSカードを挿してネットに接続し、11sq.netに投稿しました。後日、まったくその通り!とお褒め頂いて、そのときから吉田さんには可愛がっていただいてます。

管理人さん:あの頃、吉田さんの1番機と当時6番機で現在第6飛行隊長の草薙2空佐の上空での連携も格別でした。応援していく中で、途中吉田さんには「教え過ぎた!」と言われたこともありましたけど(笑)、吉田さんの全展示飛行を見ることができ、またずっと後のこの第2期ブルーインパルスファンネットになって、名誉管理人とか名誉顧問とか呼んでますけど、一緒に応援活動をさせて頂けるのは一生の財産となっています。第1期の頃は自衛隊が今日のように日々の活動を発信することはありませんでした。吉田さんがプランした新しい展示構成などを告知し協力させていただけたことも楽しい思い出となっています。あの頃の隊長やメンバーで時々連絡を取らせていただく方もいます。素晴らしい人たちです。

-元パイロットの方が今でも携わっておられるのは、ファンサイトとしてはこれ以上無い喜びですね。

管理人さん:本当にありがたいことです。ですが、誇れることばかりではありません。せっかくの機会なので、ブルーインパルスファンネットの黒歴史にも触れさせてください。2006年か2007年頃でしたか、航空祭のマナーについて問題意識を持つようになりました。カズレーザーさんが先日、テレビ番組で「航空祭に行ったけど大人が前にいてブルーインパルスが全然見えなかった」と言ってましたけど、子供を押しのけてでもいい写真が撮りたいとか、終了後のゴミの散乱もひどかったのです。特に入間は。

管理人さん:そこで我々は「子供優先、脚立禁止」というスローガンを掲げ、協力会社の業者にワッペンを作ってもらいました。こちらからデザインを渡して商品化してもらいましたが、そこから利益を還元してもらうということは目的としておらず、デザインの版権なども主張しませんでした。赤字にならない範囲でなるべく安く出してほしいとだけお願いしました。発売にこぎつけたものの、後日の入間航空祭で、通称マナーワッペンと呼ばれたそのワッペンを付けて、最前列の方で寝転んでいる人が現れました。それで大炎上。なかなか収集が付かず、追い込まれた私は苦し紛れに、権利関係を一切保持していないということを念頭に置きながらもそのことに触れず「あのワッペンとは一切関係ありません」とネット上に書きました。そのことで未だに私を卑怯者と思っている方もいると思います。

管理人さんが選ぶ過去15年のベストショット第2位-2009年、芦屋海岸にて(手前左はマナーワッペン協力会社の故社長)

ブルーインパルスファンネット様ご提供

管理人さん:あの時はブルーインパルスから空撮写真の提供を受けているサイトを守ることで精いっぱいでしたが、その行動は適切とは言えず、寝転がった方にも申し訳ないことをしたと思っています。そのことで後日空幕広報室の方から連絡があり、注意も受けました。その翌年の入間航空祭から、脚立や目に余る場所取りのレジャーシートが禁止され、マナーワッペン事件をきっかけに入間航空祭が毅然としたルールで運営されるようになったものの、その経緯は決して褒められたものではなく深く反省しております。

-そんな事案があったんですね。

管理人さん:後日談ですが、本件にご対応いただいたブルーインパルス担当広報官の方は、東日本大震災では被災した基地の救難隊長を務められていました。震災の記録映像でお顔を拝見したときは、なつかしくもあり、また本当に頭の下がる思いでした。私はブルーインパルスに興味を持ち、それがきっかけで応援するようになりましたが、その思いは今や、全航空自衛隊に広がっています。これからも陰ながら応援させて頂きます。

適切な応援には、適切な用語の使い方を

-それでは、今後の展望や最終目標について教えてください。

管理人さん:航空自衛隊の各基地がSNSで積極的に情報発信するようになった現在では、そうしたご尽力を補完できるような情報発信を念頭に活動して参ります。また、メディアの更新情報やグッズ情報の共有などをはじめ、「ブルーインパルス文化」といったようなものを醸成していきます。近い将来、5Gが普及してきたら、航空祭の楽しみ方も革新的に変わると思います。会場全域のフォロワーさんと一緒に多元航空祭中継なども可能になるかもしれません。そうした新しい楽しみ方も追求していきたいですね。

管理人さん:さらには、航空文化の健全な発展に寄与するよう、用語など、航空リテラシーといったものを高める発信を目指します。用語やその適切な使い方を知れば、よりブルーインパルスや安全性の仕組みについても理解することにつながり、一層楽しむことができます。今回、この取材をお受けしたのも、感謝飛行の防衛日報デジタル・ボエマル君の記事が良かったからなのですが、あの感謝飛行で4000ftって書いたのはボエマル君だけだったと思います。4000ftってスカイツリーの2倍の高度なんですよ。スカイツリーの高さに対し、真上を飛ばないうえに、2倍の高度で飛ぶ。ブルーインパルスの安全策はそんなディテールの積み重ねなんです。

管理人さん:かつて、こんなこともありました。千葉国体の開会式で、まっすぐ飛ぶ航過飛行をさも曲技飛行をするかのような説明に替えて、中止を訴える地方議員がいました。また、小牧基地航空祭では前年のブルーインパルスの編隊連携機動飛行を無許可の曲技飛行とし、翌年の小牧の1カ月前に刑事告発した反対派市民グループもいました。無許可で曲技飛行をしたと主張されていましたが、11カ月後の告発であることに加え、その根拠はデータや数値でなく「見た目の印象だけ」というものでした。こうした意見に対し、ブルーインパルスファンネットとして反論文を公開しましたが、それだけでなく今後も皆さんが的確に判断できるよう、適切な用語の使用や航空リテラシーの向上をこれからも呼びかけていきたいと思います。

-受け取る側も正しい知識が無いと判断が付きませんからね。専門性の高い世界なだけに、応援する側も最低限の知識は身につけておきたいものですね。

管理人さん:また、活動をより効果的に行えるような並行した収益性のある事業も模索していきたいと思っています。例えばGoogleには無償の検索エンジンや地図サービスがあり、それとは別の有償サービスで得た力をまた無償サービスに還元できるようなビジネスモデルがありますが、そんな体制をイメージしています。

管理人さん:そのほか、ブルーインパルスファンネットの応援活動にご理解を頂いている方の推薦で航空自衛隊幹部学校後援会に入会しました。今後、後援会活動での成果もオーバーラップさせて、広く間接的な広報支援から、より具体的な地本との連携による直接的募集への貢献や、ブルーインパルスをはじめ、航空機を飛ばすための多様な任務に従事する優秀な隊員の皆様の援護活動にも関われればと思っております。それと、これは私が高専卒という高度成長期の現場エンジニアを育成する目的の教育制度とその学歴で生きてきたことを重ねてのことですが、航空学生卒業者を文科省の短大卒に認定するとか、CS課程を卒業した幹部を大卒にするとか、そんな制度を提案できないだろうか、と考えています。航空学生制度への思い入れからですが、かなりの野望でしょうか(汗)

-今は大臣・副大臣がSNSで広く国民の声を聞いていますから、もしかしたら耳に届くかもしれませんよ。何かが変わるきっかけになるかもしれません。

管理人さん:そうですね。私の人生に大きな影響を与えてくれたブルーインパルス、航空自衛隊ですので、いち市民としてではありますが、今後もそういった意見も発信していけたらと思っています。(この記事を公開するときは「#みてくれ太郎」のハッシュタグ付けてね(小さい声))

管理人さんが選ぶ過去15年のベストショット第1位-2007年4月28日、熊本城築城400年祭にて

ブルーインパルスファンネット様ご提供

-では締めの質問です。この企画の恒例にしようと必死なんですが、もし活動の最終目標を叶えたときの階級を「将」としたら、今のご自身はどれくらいの階級だと思いますか?

管理人さん:ブルーインパルスファンネットではずっと隊長=2空佐ですが、やらかすことも多いのでどうでしょうか…(汗) 妄想の話ですが、もし空将になれたとしたらでお話すると、T-4練習機にADS-Bトランスポンダーを装備してフライトレーダーに映るようにしたいです(笑) また、ブルーインパルスカラーのC-2輸送機を4空団に配備して、航空祭でブルーインパルスの曲技飛行とセットでバリバリの展示飛行をさせます(笑) あと、ブルーインパルスの任期中、子供の運動会にも参加できないお父さんパイロットとメンバーのために、そのC-2にご家族を乗せて一緒に航空祭遠征に招待します!

-なかなか改革派の指揮官になりそうですね。敵を作らないように気をつけてください(笑)

コラボ企画が盛りだくさん

-最後に、お知らせなどあれば教えてください。

管理人さん:はい。コラボ企画も重視しており、札幌通運クラブゲッツさんと聖地松島巡礼ツアーをスタートしました。航空祭中止が続く中での試みです。航空祭ツアーでも参加者の要望を取り入れて運営している旅行会社で、例えば航空祭で帰投の写真を撮りたいという要望に応えて可能な限りで遅めの出発にしているツアー等を企画されています。ブルーインパルスファンのための新しい試みである聖地松島巡礼ツアーも、注意事項等を良くご確認の上、ぜひご参加下さい。

管理人さん:また、東松島ステッチガールズさんと新しいクロスステッチ刺繍の企画協力を進めていますが、その成果の第1弾を聖地松島巡礼ツアー企画とリンクしています。訓練飛行が悪天候でない場合なども想定し、その際には東松島ステッチガールズさんで震災の時の様子をお話し頂くなど、そうしたお願いもしております。今後そうしたシナジー効果のあるコラボ企画をもっと進めていきたいと思います。

東松島ステッチガールズさんによるブルーインパルスのクロスステッチ刺繍作品

ブルーインパルスファンネット様ご提供(製作:東松島ステッチガールズ)

管理人さん:そのほか、藤吉隆雄カメラマン(現在は学術研究機関に勤務。お父上は陸上生徒1期生、ナイキ高射部隊とともに空自に転官した元航空自衛官)のT-4ブルーインパルス・ファーストイヤーの写真展開催を模索しております。藤吉さんは、私がブルーインパルスを見始めた頃に航空ファン誌にブルーインパルス取材記事を掲載されており、ブルーインパルス愛好家の間に広角で撮影する楽しみの模範を示された方です。カメラ専門誌やMAMORにも執筆されておりました。会場提供者などのスポンサーやボランティアを募集していきますので、ぜひよろしくお願いします。

2010年3月27日、Kスタ宮城・楽天イーグルス開幕戦にて

ブルーインパルスファンネット様ご提供(撮影:藤吉隆雄)

-盛りだくさんですね。メンバーの皆さん、お仕事との両立でしょうから、身体に気をつけて活動されてください。長きにわたりありがとうございました!

 今回の企画の趣旨に賛同していただき、赤裸々に15年間の思いを語ってくれた管理人さん。いろいろな経緯はあれ、皆さん応援する対象は同じ「同志」ですから、楽しくありたいですよね。

 ちなみに書き手の中の人もネット黎明期の20年前くらいに、とあるファンサイトを運営していた過去があり、管理人さんとはその話で長らく盛り上がってしまいました。え?どんな話か気になるって? そんな、オッサン同士の会話を聞いても楽しくないですよぉ(←さりげなく取材対象者もオッサン呼ばわりする失礼極まりないヤツ)


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