地域と共に50年 盛大な花火で締めくくる|霞目駐屯地

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楽しく会場を盛り上げる隊員たち

防衛日報 2025年8月21日付 


 霞目駐(司令・米谷1陸佐)は8月3日、駐屯地を一般開放し、「霞目駐屯地夏祭り」を実施した。


 霞目駐は、地域とともにある駐屯地として、昭和50年から毎年8月上旬に駐屯地周辺町内会と合同で納涼盆踊り大会を開催。50周年の節目を迎える今年は「駐屯地夏祭り」と銘打ち、宮城県隊友会の主催によりフィナーレに盛大な花火の打ち上げを実施した。


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霞目駐屯地で打ち上げた花火


 毎年恒例の盆踊りを隊員と町内会・スポーツ少年団と一緒に楽しんだほか、アトラクションとしてチアリーディング(Rainbows)、よさこい(舞夢華幻)、すずめ踊り(七郷すずめ連)の圧巻の演技を披露してもらった。


 フィナーレの花火は、障害物のない広い飛行場で約30分間打ち上がり、目の前で大迫力に上がる花火に来場者から大歓声が上がった。


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やぐらで太鼓えを鳴らす隊員


 そのほか、宮城地本名取地域事務所の広報ブースにも多くの募集対象者が訪れ、自衛官という職業の魅力についても理解を深めてもらった。模擬売店は27店もの出店があり、子供から大人まで多くの来場者が楽しんだ。


 霞目駐は「引き続き地域の皆さんが楽しめるイベントや行事を通じ、地域とともにある霞目駐屯地の魅力を発信していく所存である」としている。


<編集部より>


「まつり―夏の風物詩こそ自衛隊の『出番』!」―。少し大げさなキャッチ(見出し)をつけ、防衛日報の本日(21日付)2面は、地域の「まつり」に参加・実施した6つの駐屯地の報告を特集しました。

何せ、幼少時から根っからの祭り好き。成長してからは、ただただ目立ちたいだけの「おまつり男」としては、うらやましい気持ちで報告を眺めました。

地域の人たちとともに神輿をかつぎ、やぐらを囲んで子供たちやご婦人と踊り、部隊対抗踊りなどでは仮装で会場を沸かせた部隊も。まとめて見ると、いいものです。その中で、実に50周年を迎え、一般開放した霞目駐屯地の夏祭りをクローズアップしてみます。

報告によれば、駐屯地周辺の町内会と合同で開催していた納涼盆踊りを今年の節目に合わせ、「駐屯地夏祭り」と銘打ったとのこと。それだけではありません。フィナーレは宮城県隊友会の主催。場所は障害物のない広い飛行場でした。自衛隊、駐屯地が地域との極めて良好な関係を構築しているからこそ。「いい関係だな~」と駐屯地の努力、地域の理解に改めて拍手を贈りたいと思いました。

もちろん、まつりだけではありませんが、自衛隊が地域にしっかりと溶け込み、地域の「一員」としてコミュニケーションを取ろうとすれば、そのキーワードは誰しもが笑顔になり、楽しめるイベントがまつりなのかと。まつりのまつりたる所以(ゆえん)です。霞目駐は盆踊りを隊員と町内会のほかスポーツ少年団と一緒に楽しんだとのこと。子供たちへの配慮も忘れてはいませんでした。

私事で恐縮ですが、小学生時代、スポーツ少年団に在籍し、白球を追っていたわが身を振り返れば、地域のまつりはありましたし、燃えまくっていました。が、自衛隊の姿はなし。そういう時代でした。今の子供たちは、日本を、地域を守ってくれる人たちと接点を持てるのですから、ある意味幸せです。

自衛隊といえば、精強性とかいかついとか、体力自慢とか…。そんなイメージが持たれるのは仕方がないこと。それでも、一人の人間です。普段とは違う表情を見せるわけですから、写真とともに紹介することは、一つの「広報」でもあると思うのです。

防衛省・自衛隊の活動は国民一人ひとり、地方公共団体などの理解と協力があって初めて可能となります。地域社会と自衛隊相互の信頼をより一層深め、社会的基盤の充実・強化に寄与するというのは、国防と並行した最重要テーマでもあるのです。

そのためには、普段、接する機会が少ない自衛隊の姿を身近に感じてもらうことが不可欠。親近感や連帯感の醸成にもつながります。さらに言うなら、災害発生などの緊急時で連携を円滑にする上でもとても重要です。

まつりへの参加は、重要な取り組みなのだと思うのです。