大阪地本八尾分駐所(所長・嶋本陸曹長)は1月6日、大阪教育大学へ同校の卒業生で現在、陸自音楽隊で勤務するリクルータ2人による母校訪問を実施した。大阪府柏原市にキャンパスがある大阪教育大は、大阪府はもとより関西圏で人気のある演奏技術の高い国立大学。自衛隊音楽隊要員を輩出するなど、自衛官募集にもなじみのある大学だ。
大阪地本八尾分駐所(所長・嶋本陸曹長)は1月6日、大阪教育大学へ同校の卒業生で現在、陸自音楽隊で勤務するリクルータ2人による母校訪問を実施した。大阪府柏原市にキャンパスがある大阪教育大は、大阪府はもとより関西圏で人気のある演奏技術の高い国立大学。自衛隊音楽隊要員を輩出するなど、自衛官募集にもなじみのある大学だ。
今回、母校を訪問したリクルータは、15音楽隊(那覇駐)所属の横山1陸士と1音楽隊(練馬駐)所属の高橋2陸士で、同校音楽表現コースの学生9人に対し、自衛隊の制度や概要説明と懇談を行った。
当日は、演奏服装で登場した先輩2人に対して学生から憧憬に満ちた拍手が起こり、横山1士と高橋2士による学生の視点に立った分かりやすい説明と訓練内容や演奏実績、生活環境などに関する「生の声」に対し、先輩という親近感も相まって活発な質問も交わされるなど、学生のみならず、担当した教員や八尾所員の募集業務にとっても有意義な一日となった。
参加した学生からは、「演奏服装姿がとにかくカッコいい。憧れます」「職業として音楽を続けられることが素晴らしいです」「自衛隊という『舞台』で活躍している先輩と話せてとても良かったです」などの声や、教員からも卒業生の成長に対する感激の声が聞かれた。
また、訪問に合わせて学校側もリクルータに対して「高校生向け大学案内」を作成するための取材を行い、卒業生への取材を通じて職業としての自衛隊や卒業後の活躍状況など、幅広い層へのPRによる募集広報への協力や連携も進めていく予定。
大阪地本は「各部隊の協力を得ながら、大阪府内の各学校への卒業生による訪問などを積極的に企画・調整し、在校生や教職員に対する職業や進学先としての自衛隊の魅力を発信し続け、一人でも多くの入隊や入校につなげられるよう、本部各課、地区隊、各所、広報官が一丸となって募集活動を展開していく」としている。
<編集部より>
訓練時や任務中に隊員の士気を高揚させるため、国家的行事、式典などでの演奏のため、コンサートや各種イベントなどでの広報のため、さらに海外の軍楽隊などとの国際親善のため…。音楽隊が果たす任務はさまざまです。もちろん、身分は「自衛官」ですから、訓練にも参加し、いざ災害が発生すれば災害派遣活動に赴くこともあります。
近年では、女性ソプラノが「歌姫」と呼ばれ、演奏風景を動画で紹介する時代となりました。メディアなどで頻繁に登場するようになり、いま、音楽隊の存在はこれまでにも増して注目されているところなのです。そこで、防衛日報の(2月4日付)のトピックスは、1面の大阪地本八尾分駐所の報告です。
大阪教育大学の音楽表現コースの学生たちに対し、同校の卒業生で、現在、陸上自衛隊音楽隊で勤務する2人のリクルータが母校を訪問し、後輩たちと懇談をしました。
当然のことながら、学生たちにすれば今後の進路先となるかもしれない、まさにダブる相手です。ましてや、特別な演奏服装で登場した先輩には記事にもあるように、憧憬のまなざしで見つめたことでしょう。憧れの仕事や会社に就いている人の言葉は、一言一句聞き逃してはならないほどの、とても貴重で有意義な時間なのですから。
「自衛隊という『舞台』で活躍している先輩」とコメントする学生がいました。自衛隊員であり、音楽隊員であり、音楽ショーを提供するエンターテイナー。いくつもの要素が一つひとつ積み重なった大きな姿に触れ、「今度は自分もあの『舞台』に」と気持ちを奮い立たせてくれる、そんな2人の姿がまぶしく輝いたことでしょう。目指すところが固まっている人間にとっては、何よりの「参考書」となるのです。
自衛隊音楽隊は何よりもその技術です。プロの交響楽団とそん色ないレベルということは、旧知の音楽評論家が何人も口を揃えて強調しています。過酷な前線で闘う隊員がいて、その肉体的、精神的負担を少しでも軽減し、次への活力を生み出す力の源に―。自然災害時には、避難所などを訪問し、その安らぎと華麗なメロディーを奏でながら、被災者の気持ちを少しでも和らげる役目もあります。音楽隊の究極の存在意義がここにあるような気がします。
「だれかのために働きたい」が自衛隊を志す理由の一つにあるとすれば、音楽隊を志望する人たちの思いは「だれかのために歌いたい、演奏したい」です。これまで、このコーナーでも幾度となく述べてきたのが「音楽の力」です。
本来は自衛隊員のためであったものが、次第に社会にその活躍できる場が生まれたことで、少しずつ音楽隊が認知されてきました。志す若者たちがこうした社会への「貢献」ということを限りなく意識し、音楽隊員の新たな力となり、音楽の力をパワーアップさせてくれることを大いに期待します。