空隊長訓練検閲「生き残り、かつ、戦う航空隊」|丘珠駐屯地

北部方面航空隊

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スノーモービルによる「ジョーリング」


 丘珠駐北部方面航空隊(隊長・三笠1陸佐)は2月13日から16日の間、北海道大演習場(東千歳地区)で、「第2回航空隊長訓練検閲および第4回航空隊統一訓練」を実施した。

 航空隊長訓練検閲は、北部方面航空隊本部付隊に対して実施。現代戦環境下における「生き残り、かつ、戦う航空隊」を育成するための指揮・幕僚活動、部隊の基本的行動、隊員の基礎動作の練度を検し、北部方面航空隊本部付隊長(笹島3陸佐)を核心に、全隊員が付隊長の要望事項である「状況に対する判断と対応」「不条理の克服」「安全管理および健康管理」を実践。これまでの練成訓練の成果を十分に発揮して、1件の事故・不安全もなく任務を達成した。


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隊容検査の様子


 また、航空隊統一訓練で各部隊は、築城、対遊撃戦闘、スキー、ホイスト、空中機動などの訓練を行い、積雪寒冷地における部隊行動能力を維持・向上させた。


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築城訓練

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スノーモービル吊り上げ訓練

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ホイスト訓練


 特に、北部方面隊で重視されるスキー操作の練度向上のため、80キロのそりを引くアキオ曳(えい)行、20キロの背のうを背負って1時間の機動を行う課目のほか、スノーモービルにけん引されて滑る「ジョーリング」など、各部隊は工夫を凝らした訓練を実施した。


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80キロのソリを引く「アキオ曳行」

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スノーモービルによる「ジョーリング」


<編集部より>

本日は、北の大地に所在する陸上自衛隊丘珠駐屯地北部方面航空隊がこのほど実施した「第2回航空隊長訓練検閲および第4回航空隊統一訓練」にこだわってみたいと思います。もちろん、防衛日報の紙面でも紹介しました。

まずは、航空隊長訓練検閲です。検閲である以上、対象名は部隊なのですが、「隊長名」だということが陸上自衛隊などとは違っています。

自分も最初は「なぜなんだろう…」と思いました。いろいろ探したり、聞いてみたりしたことがありました。たどり着いた答えは、普通に納得でした。部隊や機関の教育訓練の状況を検査・視閲して、隊員の任務遂行能力を評価するのは通常の訓練検閲。その部隊を牽引(けんいん)し、的確な指示を出すという、まさに「長」もしっかりと検するよ、ということだったように思います。

「長」を入れなくても、訓練検閲では隊員の進歩向上を促すための指示の在り方も含まるのですが、そこはあえて「長」を入れる航空自衛隊のこだわりなのかもしれません。

今回の訓練検閲の対象は、北部方面航空隊本部付隊でした。駐屯地からの報告にある「生き残り、かつ、戦う航空隊」のフレーズらしく、育成するための指揮・幕僚活動や部隊の基本的行動など練度が評価され、1件の事故・不安全もなく任務を達成していました。

毎回、僭越(せんえつ)ながらですが、核心となった付隊長が全隊員に要望した「不条理の克服」の要望事項もなかなかの文言です。自衛隊に置き換え、この言葉を勝手に解釈してみました。

本来は、道理に合わない、筋道が通らないことを意味する言葉ですが、自衛隊には予想外の出来事や発生事案への対処は常に想定しなければならない使命があります。その時、どう動けばいいのか、まさにその対処の仕方を普段の訓練で養う。そんな意味合いに感じます。「生き残り…」とともに、否が応でも気持ちを奮い立たせてくれるような、熱いメッセージには、自然と気合が入るものです。

もう一つの航空隊統一訓練は各部隊がホイストなどのほか、アキオの曳(えい)行などの内容でした。今年度の部隊訓練の集大成の場。報告とともに寄せられた写真を見ると、白色装備を装着して冬季特性に応じた訓練でした。

ここで一つ、言えることは航空隊には当然のことながら、航空領域から陸上に降り、ここからさらに陸での任務が続くという一連の活動が必須となります。雪山などでの遭難者、負傷者らの救出・搬送という任務は当然のこと。航空部隊によるアキオもまた、欠かせない訓練の一つです。今回の訓練では、こうした冬季における部隊行動能力の維持・向上に努めていました。積雪・寒冷地ならではの光景でした。