令和8年度 年頭の辞―日本を守りぬく 決意新たに―

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防衛日報 2026年1月8日付


 今年も統幕長、陸海空3幕僚長の4氏による「年頭の辞」が寄せられましたので紹介します。



「新たな統合運用、至誠で拓く」

 統合幕僚長 空将 内倉 浩昭


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 謹んで新春のお慶(よろこ)びを申し上げます。皆さまにおかれましては、平素より自衛隊の活動に温かいご理解とご支援を賜(たまわ)り、心より感謝申し上げます。

 世界情勢に目を向けますと、国際秩序が揺らぎ、不安定要因が輻輳(ふくそう)する中、わが国を取り巻く安全保障環境もかつてない厳しさに直面しています。

 中国は周辺海空域での活動を拡大・活発化し、北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返しています。中東情勢は緊張を孕(らみ)は、ロシアはウクライナ侵略を続けつつ中国・北朝鮮との連携を強めています。

 また、近年、地震、台風、線状降水帯による大雨、林野火災などの多様な自然災害が激甚化し、頻繁に国民の安寧を揺るがしています。

 このような情勢下にあって、自衛隊は国民の命と平和な暮らし、そして領土、領海、領空を守り抜くため、昼夜を問わず警戒監視や情報収集にあたるとともに、領域横断作戦能力の向上に努めています。

 また、海賊対処、国際平和協力活動など、国際社会の安定に寄与する任務にも誠意をもって取り組み、災害の発生に際しては迅速に部隊を派遣して人命救助や生活支援を実施し、実績を積み重ねてまいりました。

 本年も、統合運用を進化させる5つの柱 Integration(一体化)、Interoperability(相互運用性)、Inter-connectivity(連結性)、Intensity(強度)、Innovation(変革)を重視し、安全保障の諸課題に至誠をもって冷静かつ毅(き)然と対応してまいります。

 また、日米同盟の抑止力と対処力の強化、同志国との協力深化を通じ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に貢献してまいります。併せて防衛力の抜本的な強化と次代を見据えた検討においても役割を果たしていく所存です。

 自衛隊の活動は、国民の皆さまのご理解と信頼によって支えられております。皆さまの温かい励ましの言葉を胸に刻み、駿馬のように力強さとスピード感をもって新たな目標に挑み続けます。

 新しい一年が、皆さまにとって健やかで幸多きものとなりますよう、心より祈念し、新年のごあいさつといたします。



「強靭な陸上自衛隊を創造」

 陸上幕僚長 陸将 荒井 正芳


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 謹んで新春のお慶びを申し上げます。平素より陸上自衛隊に対するご理解とご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

 さて、国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入しており、中国による軍事活動の拡大・活発化、北朝鮮による核・ミサイルの増強、ウクライナ侵略を行う中でのロシアによる軍事活動の継続、不透明な中東情勢の継続など、わが国は依然として戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しております。

 このような中、昨年、陸上自衛隊は、林野火災や台風22・23号の発生に伴う八丈島への災害派遣を始めとした、国内外における各種任務を遂行しつつ、防衛力の抜本的強化に係る取り組みを推進してまいりました。

 また、同盟国・同志国などとの防衛協力・交流を通じた連携強化、過去最大規模での米海兵隊との実動訓練の実施や日米豪共同指揮所演習、米豪軍との実動訓練の連接による訓練効果の増大など、作戦遂行能力を向上させ、地域の平和と安定に寄与してまいりました。

 本年、陸上自衛隊は、政府が目指す安保関連三文書の改定を見据え、防衛力の変革に係る各種検討に積極的に参画するとともに、「防衛力整備計画」の4年目として、情勢の変化や技術の急速な進展などに伴う戦い方の変化に適応しつつ、陸上防衛力の抜本的強化を引き続き推進してまいります。

 また、統合運用体制下、事態などに即応し、任務を必ず成し遂げて国民の負託に応えるべく、強固な団結、厳正な規律、旺盛な士気を保持しつつ、精到な訓練などを通じて、所望の練度・能力を備えた部隊などを創造・育成してまいります。

 隊員一人ひとりが自らの役割を至当に認識し、それを果たすべく、積極進取の気概と姿勢をもって、任務や訓練に励むことが、抑止力・対処力を確固たるものにし、国防の任を全うすることになるという認識の下、「強靭(きょうじん)な陸上自衛隊の創造」に向け、職責を全うすることをお誓い申し上げますとともに、皆さまにとって心穏やかな一年になるよう心からお祈り申し上げます。



国際連携、組織の能力も強化

海上幕僚長 海将 齋藤 聡


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 謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中賜りましたご支援に対し、心より御礼申し上げます。

 昨年、インド太平洋方面派遣を中心に、共同訓練などで同盟国・同志国などと連携を強化しました。

 特に8月の英空母打撃群との交流などでは日英防衛協力の幅を広げ、10月には米海軍・海兵隊創設250周年記念行事に参加し、強固な日米同盟を再確認するとともに、各国海軍代表と交流を深めました。

 一方、国際社会は戦後最大の試練に直面し、世界平和の既存の秩序は深刻な挑戦を受け、わが国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑なものとなっています。

 中国の海洋進出や台湾海峡・南シナ海の緊張、ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の弾道ミサイル発射など、国際秩序を揺るがす行動が続いています。

 さらに、サイバー空間や宇宙領域の脅威も増大し、海上自衛隊の役割は一層重要になっています。 

 こうした中、海上自衛隊は、組織としての能力強化を進めています。

 例えば、「ちょうかい」へのトマホーク搭載によりスタンド・オフ防衛能力の先駆けとして新たな役割を担います。

 また、無人化技術やAIを活用し、革新技術を積極的に導入します。豪州次期汎用(はんよう)フリゲートへの「もがみ」能力向上型選定は、日豪防衛協力の深化やわが国の高度な技術力と国際的役割の拡大を示しています。

 さらに、海上自衛隊をより精強・誠実にするための取り組みである「『よりS2』検討」も開始から1年以上経過し、今後も継続してまいります。 

 人的基盤の確保も喫緊の課題です。処遇改善を進め、勤務環境を充実させて隊員が安心して力を発揮できる体制を整えます。

 また、昨年策定した女性・平和・安全保障(WPS)推進計画を踏まえ、多様な人材を募集し、活躍できる環境整備にも取り組みます。 

 結びに、海上自衛隊は、国民の負託に応えるべく、使命達成に邁進(まいしん)する決意を新たにいたします。

 本年も皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げ、年頭のごあいさつといたします。



宇宙への飛躍遂げる重要な年

航空幕僚長 空将 森田 雄博


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 防衛日報社の皆さま、ならびに防衛日報をご愛続の皆さま、謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は航空自衛隊に対して格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。

 昨年、複数の事故により、多大なご心配をおかけしましたことを深くお詫(わ)び申し上げます。航空自衛隊一丸となって安全確保に全力を尽くしてまいります。 

 昨年を振り返りますと、中国海警船搭載ヘリによる領空侵犯、中国無人機による南西域での飛行、沖縄本島と南大東島などの間における中国空母からの戦闘機などの複数回の発着艦、中露の爆撃機による共同飛行が確認されるなど、航空活動の活発化が顕著な状況です。

 さらに、中国空母2隻が同時に太平洋で活動するとともに、電磁カタパルトを採用した空母が就役し、北朝鮮も弾道ミサイルなどの発射を繰り返すなど、わが国を取り巻く安全保障環境は、年々「厳しさ」と「複雑さ」を増しています。 

 力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境を創出するためには、同盟国のみならず、1カ国でも多くの国々との連携強化が極めて重要です。このような中、昨年9月には、航空自衛隊の戦闘機が輸送機、空中給油・輸送機と連携し、初めてカナダ、欧州(イギリス、ドイツ)に展開し、各国空軍との絆(きずな)を一層強固なものとすることができました。 

 本年は、宇宙作戦団(仮称)の新編を予定するなど、航空自衛隊が「航空宇宙自衛隊」へと飛躍を遂げる上で極めて重要な一年となります。予断を許さない安全保障環境下において、航空自衛隊が将来にわたり国民の負託に応え続けていくために、スピード感をもって防衛力整備を進めるとともに、防衛交流や各種共同訓練の機会を最大限に活用し、同盟国や同志国などとの連携強化、相互運用性の向上に努めてまいります。

 また、処遇改善にも引き続き注力し、隊員一人ひとりが誇りをもって職務に専念できる環境作りに取り組んでまいります。

 本年も、変わらぬご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、防衛日報社のますますのご発展と、皆さまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。