青森駐5普連(連隊長・菊池1陸佐)は11月4日から10日の間、岩手山演習場で、師団が実施した「令和7年度秋季岩手山演習場整備」に参加した。
整備は、9師団の道場たる岩手山演習場の機能維持を目的として毎年実施されている。
9師団は当初、演習場の機能向上、機能維持を目的とした師団全力での整備を予定していたが、東北地域でのクマ被害対応に伴って演習場整備の規模、範囲も縮小となり、危害予防のため天幕露営も禁止となったことから連日、青森駐から岩手山演習場へ前進する要領となった。
整備で弾着地域での不発弾捜索、伐採の任務を付与された連隊の隊員たちは、起伏の激しい足場に苦戦。自分の背丈まで伸びた大量のススキに行く手をさえぎられつつも、任務間終始、安全管理に留意し、最後まで粘り強く整備を実施し、1件の事故もなく整備任務を完遂した。
また、連隊集成の炊事班は2中隊の齋藤3陸曹を炊事班長として、日の昇らない早朝からおいしく温かい食事の提供に努めた。
特に6日の昼食で提供された油淋鶏風唐揚げとニラかきたまスープは好評で、整備参加隊員の士気の高揚に大きく寄与した。
5普連は「整備隊と〝影の功労者たち〟が、これまで以上に一致団結したことにより、安全かつ早期に任務を完遂、わが第9師団の道場たる岩手山演習場の機能維持向上に貢献することができた」としている。
最後の演習場整備重迫中隊の小川曹長
「先輩が背中を見せて伝統の継承を」
「令和7年度秋季岩手山演習場整備」に参加した重迫撃砲中隊の小川陸曹長は、来年6月に定年退官を迎えることから、今回の整備が自衛隊生活最後の演習場整備となった。
小川曹長は、補給・訓練陸曹として若手隊員に対して機械操作、整備要領などについて、これまで培った経験に基づいた整備技術や知識の伝統継承を行った。
整備を終えた小川曹長は、自衛隊生活を振り返りながら「機械操作も草の集め方もわからなかった後輩たちが、わずかな指示で機械を持ち、草集めのやり方などを新しく配置になった後輩たちに指導している姿を見て、もう自分たちは指導しなくてもよいと感じた。これからも先輩が背中を見せることで伝統の継承をしていってほしい」と述べた。