「令和7年度自衛隊音楽まつり」が11月13日から15日の3日間、日本武道館(東京都千代田区)で行われた。
59回目となる今年のテーマは「次へ。―今を超えて、ともに先へ―」。
陸海空の音楽隊を中心に、陸自西部方面音楽隊や米海兵隊音楽隊などが出演し、2000年から25年の四半世紀を音楽でたどる構成となった。3日間で延べ2万7000人が来場し、会場は連日大きな熱気に包まれた。
「令和7年度自衛隊音楽まつり」が11月13日から15日の3日間、日本武道館(東京都千代田区)で行われた。
59回目となる今年のテーマは「次へ。―今を超えて、ともに先へ―」。
陸海空の音楽隊を中心に、陸自西部方面音楽隊や米海兵隊音楽隊などが出演し、2000年から25年の四半世紀を音楽でたどる構成となった。3日間で延べ2万7000人が来場し、会場は連日大きな熱気に包まれた。
冒頭、小泉進次郎防衛大臣が登壇し「国民とともに次へ進んでいく」と述べ、故郷・横須賀に所在する陸自高等工科学校ドリル部の初出演を喜んだ。
序章は、エレキギターの印象的なソロが徐々に高まり「スーパーマンのテーマ」へ展開。期待感が広がる中、国旗入場・国歌斉唱へとつながった。
「2001年からの光」をテーマとした第1章では、西方音楽隊が登場。声楽科出身の水上珠奈まりな3陸曹がオペラの名曲「トゥーランドット」を堂々と歌い上げた。
初出演の1師団らっぱ隊は、張りのある音色と一糸乱れぬ動作で会場を引きつけた。
続く陸自中央音楽隊は「プラネタリウム」から組曲「惑星」へと展開し、色彩感のある多彩なサウンドで観客を包んだ。5人組男性ボーカル・CBボーイズも加わり、厚みのあるハーモニーを響かせた。
第2章「2010年からの道」では、米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊がジャズの名曲「モーニン」を披露し、「海兵隊賛歌」で本場の迫力を示した。
海自東京音楽隊は、東日本大震災での支援活動を契機に制作された「GASSHOW」を奏で、海自の歌姫・三宅由佳莉2海曹が深みのある歌声と確かな表現力でステージを引きつけた。続く「心臓を捧ささげよ」「千本桜」は日本カルチャーの発信力を象徴する選曲で、最後は海自を象徴する行進曲「軍艦」で締めた。
章のフィナーレでは、海自と米海兵隊が合同で「海を越える握手」を演奏し、両国の協力関係を象徴した。
第3章「2020年への軌跡」では、防衛大学校儀仗(じょう)隊と高工校ドリル部が登場し、
高校生の初々しい緊張をにじませつつ、一糸乱れぬ演技を披露した。
続いて空自航空中央音楽隊は、空自の歌姫・清水万理子空士長が「海の声」(2015年)を歌い上げ、会場を柔らかく包んだ。
映画音楽パートでは、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年公開の同名映画でも知られる)にブルーインパルスの飛行映像を合わせ、空自ならではの迫力ある演出で会場を沸かせた。
全音楽隊の合同ステージに続き、全国から集まった自衛太鼓12チームが登場し、全身を使った力強い打ち込みで武道館の床を震わせた。
最終章では、中音隊長・志賀1陸佐の指揮で「水平線」「ビューティフル」「さよーならまたいつか!」を演奏。歌姫3人とCBボーイズが勢ぞろいし、厚みのある歌声を響かせると手拍子が広がり、会場の一体感が高まった。
演奏後、隊員が手を振りながら退場すると、観客も大きく手を振って応え、温かな拍手が会場を包んだ。