航空幕僚監部募集・援護課は令和7年11月11日、入間基地(埼玉県狭山市)と小牧基地(愛知県小牧市)の協力を得て「退職自衛官雇用企業主等部隊研修」を実施した。
雇用企業に加え、関心企業も多数参加
今回の研修には、すでに退職自衛官を雇用している企業に加え、今後雇用を検討している企業、さらに10月に開催された「危機管理産業展(RISCON TOKYO=RISCON)」で興味を示した企業など、23社23人が参加した。
この研修は、雇用企業主らに基地を見学してもらうことで自衛隊の活動への理解を深め、雇用につなげることを目的として実施され、研修の歴史は古く昭和から続いているとされている。
C2に搭乗し小牧へ 管制シミュレーターで自衛隊業務を体感
この日は、入間基地から小牧基地へC2輸送機で移動し、管制シミュレーターの見学、制度説明、体験喫食、航空機見学が行われた。
航空管制官の養成機関である第5術科学校の管制シミュレーター見学では、説明とともに実際にシミュレーターが稼働し、参加者は時間帯や気象状況によって変化する管制業務の難しさを肌で感じていた。
隊員と同じ昼食で和やかな交流も
体験喫食のメニューはメインのカジキステーキカツ。ご飯は白米と雑穀米が選べるようになっている。
隊員と同じ配膳スタイルでトレーに次々と料理を受け取り、同じ食堂で喫食した。
雰囲気に影響されたのか、早めに食べ終える参加者が多く、残りの時間で談笑する姿も見られた。この頃には、参加者同士の空気も次第に和らいでいた様子だった。
航空機見学では専門的な鋭い質問も
この日の研修は、防衛産業関連企業の参加が多く、午後のKC767見学では「あの部品は何のためのものか」「燃料タンクの容量は?」など専門性の高い質問が飛び交っていた。
特に、KC767の空中給油機能が遠隔視認装置を採用しているという説明には強い関心が寄せられ、給油パイプを操作するための操作卓では「どのように操作するのか」「実際はどう見えているのか」など詳細な説明が求められ、隊員が可能な範囲で丁寧に回答していた。
緊張から笑顔へ 研修を経て深まる理解
小牧基地へ向かう際は緊張した様子も見られた参加者だったが、帰りの機内では空中輸送員の誘導で外を眺めるなど、リラックスした表情でフライトを楽しんでいた。
「あの部分は自社で製造しているのですが、実際に使われているところを見ると感動しますね」と、機内の装備品を指さし誇らしげに語る場面もあった。
入間基地到着後の意見交換会では、援護課隊員と参加者がリラックスした様子で現状報告などを行い、活発な意見が交わされた。すでに退職自衛官を雇用している企業からは「もっと雇用したい」という声が寄せられ、今後雇用を検討する企業は雇用企業の経験談に耳を傾けていた。
「知ってもらうこと」が雇用につながる
募集・援護課長の寺西1空佐はあいさつで「皆さんの理解があって航空自衛隊の活動ができています。自衛隊は人材育成に多くの投資を行い、各部隊で活躍できるプロフェッショナルを育てています。
そのプロフェッショナルが社会に還元できる仕組みをつくることが、我々援護の仕事だと考えています。国に貢献した人材が企業で活躍することで、結果として経済の活性化、ひいては国への貢献につながる」と退職自衛官を知ってもらうことの意義を説明した。
また近年では、宇宙関連分野での人材ニーズも高まりつつあるが、「宇宙」職域ができて間もないため、現時点で再就職の対象となる者はまだ多くないという。
その上で、「国に貢献した人材が企業で活躍することで、結果として経済の活性化、ひいては国への貢献につながる」と締めくくった。
また、近年では、宇宙関連分野での人材ニーズも高まりつつあるが、宇宙の職域ができて間もないため、現時点で再就職の対象となる者はまだ多くないという。