オープニングセレモニーで試合球を投下 中部方面ヘリコプター隊が支援|大阪地本

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大阪地本東大阪地域事務所(所長・中西2陸尉)は1月11日、日本のラグビーの「聖地」花園ラグビー場で実施されたラグビーリーグワンD2第3節「花園近鉄ライナーズVSレッドハリケーンズ大阪」に参加した。場外イベントにおける募集ブースのほか、オープニングセレモニーで中部方面ヘリコプター隊(八尾駐)の支援により、UH1Jから試合球を投下するなど、大阪ダービーの開催に花を添えた。
 
当日は広報ブースを展開

 花園ラグビー場におけるUH1Jからのボール投下は、昨シーズンのホストゲーム開幕戦(令和5年12月18日)に続き2回目。前回実施時もSNSなどで大きな反響を得るとともに、リーグワン関係者内でも大いに話題となった。

 今シーズンの実施にあたり、中部方面ヘリコプター隊とは、綿密な調整と現地における実機を使用した予行など、安全面、イベント訴求効果、試合開始に向けた盛り上がりなど、あらゆる面から検討と調整を重ねて万全の態勢で臨んだ。

 当日は定刻通りにスタジアム中央上空に到達。駆け付けた両チームのファン約3700人のカウントダウンにより、試合球をピッチ中央に投下し、スタジアムへの進入から離脱まで、UH1Jの迫力ある飛行と正確なボール投下により大いにファンを魅了した。

 来場者からは、「ヘリコプターの迫力に感動しました。ライナーズファンとしても鼻が高いです」「(ボール投下をさして)これ、エグない? めっちゃカッコええで!」などの声が聞かれ、地上でボールを待ち構えた選手からも「昨年に続き、今年もキャッチできなかった。次回は必ずキャッチする」と今後に向けた肯定的な声が聞かれた。

 また、場外の募集ブースでも「ヘリコプター、ありがとうございました」など興奮冷めやらぬ様子で声を掛けてくれる観客もおり、多くの募集対象者等情報の獲得も相まって東大阪所員としても、今後の東大阪市における募集活動への手応えを得られる、充実した一日となった。

 花園近鉄ライナーズ広報担当者からも「今後も同種のセレモニーでご協力いただきたい」との申し出を受け、今後の同球団や東大阪市、近鉄グループを含めた各種事業者との募集や援護に関する連携、協力のさらなる充実も期待できる。

 大阪地本は「大阪府内のさまざまな事業者などとも連携を進め、各部隊の協力を得ながら各種イベントに積極的に参加して、広く自衛隊そのものや自衛隊の活動について魅力を発信し、一人でも多くの入隊や入校につなげられるよう、本部各課、地区隊、各所、広報官が一丸となって募集活動を展開していく」としている


◆関連リンク
自衛隊大阪地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/osaka/

<編集部より>

 観客がその時間だけ上空に目をやり、じっと見つめる。会場中心部上空に颯爽(さっそう)とやってきたのは、「正義の味方」ならぬ自衛隊のヘリ。その瞬間、ボールが投下された―。舞台はラグビーの「聖地」といわれる大阪府東大阪市の花園ラグビー場。社会人ラグビー「リーグワン」の公式戦の試合前のオープニングセレモニーの主役は、陸上自衛隊中部方面ヘリコプター隊のヘリ「UH1J」と試合球を降ろした隊員たちでした。

 防衛日報の本日(1月30日付)1面トップ記事は、大阪地本東大阪所の報告です。自衛隊が多くのラグビーファンの前で見せたパフォーマンスに、初めて見た人は降下し、狙いを定めながら移動するヘリの轟(ごう)音に圧倒されたことでしょう。

 普段、自衛隊の航空機やヘリなどが静止状態ではなく、実際に飛ぶ光景はなかなか見ることができません。それこそ、イベント以外では災害時など特別な時ぐらいかと思います。その上、今回のように試合球の降下「任務」を併せて見るだけでも、十分に堪能(たんのう)できる瞬間なのです。

 ファンにとってはまず、珍しさで引き付けられ、その迫力に驚き、ピッチ中央の投下場所にきっちりと正確に落とす技術にさらにビックリ…などなど、ゲームが始まる前から興奮させる趣向でした(グラウンドで待ち構えた選手が、ボールを取り損ねるという「オチ」もありましたが)。

 セレモニーの動画は、大阪地本が公式Xでも「UH1によるボール投下!」のタイトルで紹介しています。一連の流れだけでなく、画像的には少し小さいですが、最後にボールをうまくキャッチできなかった選手の動きも映っていました。

 近年はスポーツの試合前にさまざまな趣向を凝らすコーナーが用意されています。それこそ、高校球児の「聖地」・甲子園球場で行われる全国大会のプレーボール前でも見かけるようになりましたが、今回の大阪地本のケースは上記のように自衛隊のヘリというのがミソなのです。そして、自衛隊がこうした花を添える役割の一部を担うのは、会場全体の「目」がまさにヘリ一点に注がれるわけですから、㏚にはもってこい。絶好の機会でもあるのです。

 そうなれば、会場外で開設した募集ブースの広報活動にも大きな影響を与えるというもの。「さっきの自衛隊だ!」「試合球投下、すごかったね!」「さすが、自衛隊」…足を運んだファンはそんな言葉を携えてやってきたのかもしれません。そこで地本の広報官らとのコミュニケーションができます。地本のコメントにもあるように、多くの募集対象者情報の獲得につながるケースも期待できます。とにかく、とても重要な㏚となったことは間違いのないところでしょう。

 花園ラグビー場は、高校ラグビーの全国大会が毎年行われ、東大阪市は「ラグビーのまち」と呼ばれるほど、ラグビー熱が高いところでもあります。私事で恐縮ですが、多少のラグビー経験があり、旧社で1年半ほど運動部に在籍した際、ラグビー担当記者として何度も足を運びました。

 そんな懐かしさがあふれる場で今、自衛隊が今回のように盛り上げに一役買っている報告を受け、うれしさも100倍という気持ちにさせていただきました。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報1月30日付PDF