航空自衛隊は8月7日、同日午後0時35分ごろ、百里基地(茨城県小美玉市)所属のF2戦闘機1機が同基地から北東約150キロの同県沖の太平洋上に墜落したと発表した。
航空自衛隊は8月7日、同日午後0時35分ごろ、訓練飛行中だった百里基地(茨城県小美玉市)所属のF2戦闘機1機が、同基地から北東約150㌔の同県沖の太平洋上に墜落したと発表した。
搭乗していたパイロット(30代、1空尉)は緊急脱出し、空自百里救難隊所属の救難ヘリコプターが収容し、病院に搬送された。命に別状はなく、船舶など民間への被害も報告されていないという。
空自によると、事故機は2機編隊で別のF2・2機と救助した救難ヘリなど計6機で訓練をしていた。パイロットの総飛行時間は約1000時間。このうちF2での飛行は約650時間に上っていた。
空自は航空幕僚監部の管理監察官を長とする事故調査委員会を設置し、フライトレコーダー(飛行記録装置)の解析を含め、事故原因の解明を進める。また、スクランブル(緊急発進)などの任務を除きF2の飛行を当面、見合わせると発表した。
森田雄博空幕長は同日夕、会見を行い、「5月にもT4練習機の事故があり、安全対策は講じていた。重く受け止めている」と述べ、すべての航空機について飛行前後の点検強化と、操縦者への緊急時対応教育を徹底するよう指示したことを明らかにした。
中谷元防衛大臣は8月8日の閣議後会見で、F2機の事故に言及し「重く受け止め、航空機の安全管理に関する指示を全自衛隊に発出した」と述べた。また、事故当時の状況について、機体がエンジンの不調と推力低下を管制官に通報した後、緊急脱出したと説明した。