立川駐(司令・佐藤1陸佐)は2月28日、同駐格納庫で、新たに配備された新多用途ヘリコプター「UH2」の導入紹介行事を実施した。
立川駐(司令・佐藤1陸佐)は2月28日、同駐格納庫で、新たに配備された新多用途ヘリコプター「UH2」の導入紹介行事を実施した。
行事には、東部方面総監の冨樫陸将、UH2を納入した株式会社SUBARU航空宇宙カンパニー執行役員の齋藤氏をはじめ、部外協力団体会長など来賓約20人が参加した。
はじめに、東部方面航空隊長を兼ねる佐藤司令が式辞で、「UH2はUH1Jの後継機。自動操縦装置などの最新技術が導入されており、操縦性、安全性が飛躍的に向上された。運用開始により、東部方面航空隊は、わが国の防衛はもとより、災害対応をはじめとする公共の秩序の維持などの各種任務を従前以上に効果的に遂行する、進化した航空隊へと飛躍をしてまいります」と述べた。
続けて東部方面総監の冨樫陸将は、「方面隊の担当地域は、首都を含む政権中枢や、日米の主要作戦司令部が集中しているとともに、多数の離島や活火山を含む山岳地帯などさまざまな特性を有している。方面隊としてこれらの地域で起こりうる各種事態への適切な対応が求められており、今後は、これまで築いた航空安全のノウハウを生かすとともに、隊員一人ひとりが安全に対する高い意識をもって努めてもらいたい」と祝辞を述べた。
その後、冨樫陸将や佐藤司令、矢島司令懇話会会長らによるテープカットが行われた。
式典後に実施された実機見学では、機内に乗り込み、普段は見ることが難しい操縦席の内覧が行われた。
現在は、霞ケ浦、八尾、明野、目達原の各駐屯地で運用されている。UH1Jとの大きな違いは、主翼が2枚から4枚になったことで操縦性、安定性が向上。また、エンジンが単発から双発になったことで出力が向上した。全長はUH1Jとほぼ同等で、積雪寒冷地で装着される「スキー」のような付属装備品もUH2で変わらず使用できるという。
<編集部より>
災害の現場で活躍する陸上自衛隊のヘリコプターといえば、最近では岩手県大船渡市の山林火災で計1296回、約6480トンもの散水をした消火能力の高い「CH47」が知られています。しかし、災害派遣現場はもちろん、人員や物資の輸送などにも大きな力を発揮する、多用途ヘリ「UH2」の存在も忘れちゃいけません。
そのUH2が、東京のほぼ中央に位置する陸上自衛隊立川駐屯地に新しく配備されました。防衛日報では、関係者からの情報を基に、このほど行われた導入紹介行事を取材し、紙面でも大きく紹介しました。「進化した航空隊へと飛躍します」。駐屯地司令の佐藤1陸佐の力強い言葉には期待が膨らむばかりでした。
UH2は何が、どう違うのでしょうか。当日の関係者の言葉などによると、陸自が最も多く保有する「UH1J」の後継機にあたりますが、は洋上などを飛行する際の安定性が不十分で、航続距離も不足していることなどが指摘され、新しい双発多用途ヘリの導入が検討された経緯がありました。
そこで、新たに登場したのがUH2です。陸自などによれば、UH2はエンジンが双発になり、機体上部のメインローターと呼ばれるブレード(翼)も2枚から4枚に増えたことで、騒音や振動が軽減されています。ここがUH1Jとの外観上の大きな相違点でしょうか。
コックピット周りの各種の制御系も大幅に自動化され、最大速度、巡航速度、航続距離、最大離陸重量などの面で性能向上が図られ、操縦性や安定性にとどまらず、出力も大幅に向上したとのことです。こうした理屈は、素人でも理解できそうなところです。佐藤司令のメッセージには、この要素がしっかりと織り込まれ、式辞などで見るその表情は自信を感じさせるものでもありました。
陸自などによれば、UH2は三重県の明野駐に所在する陸自航空学校や、茨城県の霞ケ浦駐にある同航空学校霞ケ浦校などに配備され、さまざまな試験や教育訓練などに用いられています。
私事で恐縮ですが、立川市は旧社在籍時、記者としての駆け出しの場でした。駐屯地、滑走路などをいつも眺めながら取材を続けていた記憶があります。
東部方面総監の冨樫陸将が祝辞で述べているように、立川駐は首都を含む政権中枢、日米の主要作戦司令部が集中している東京の「前線基地」的な場であり、ここに配備される意義を考えれば、重要な場所であることを再認識しました。多数の離島や活火山を含む山岳地帯など、さまざまな特性を持つ地域でもあります。予想こそしたくはありませんが、災害派遣など、いざ有事となれば、「リニューアル」したUH2が颯爽(さっそう)と飛び立ち、活躍することになるのでしょう。