離島防衛の現実を想定 通信と救護が一体となり対応力向上|対馬駐屯地

対馬警備隊本部中隊通信小隊、衛生班、航空学校飛行教導隊、4後方支援連隊衛生隊

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戦闘で負傷した隊員を救護する衛生隊員

防衛日報 2025年12月23日付


 対馬警備隊(隊長・山田1陸佐)は10月20日から23日の間、対馬島内の生地で「第2次基礎となる部隊の訓練検閲」を実施した。


 訓練検閲は、離島防衛を想定。対馬警備隊本部中隊通信小隊と衛生班が受閲部隊として参加し、対馬に所在する海自と共同するとともに、航空学校飛行教導隊と4後方支援連隊衛生隊の協力を受けて実施した。


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隊容検査を受ける通信小隊と衛生班


 訓練に際して統裁官は、エスカレーションする状況の中で「任務遂行のために手段を尽くせ」「常に状況を把握・理解せよ」を要望し、部隊の一連の行動を検した。


 状況開始後、部隊は対馬島内全域にわたって展開。 通信小隊は、部隊展開に伴い先行的にシステム通信組織の構成、無線中継所を開設し、対馬全域の通信を確保した。無線中継所は、自隊警戒を強化しつつ敵の襲撃、サイバー攻撃に対処するとともに、各種警報・命令を伝達し、必通の精神で任務を遂行した。敵の脅威の増大に伴う指揮所移転準備命令に際しては、指揮の間断をつくることなく迅速かつ整斉と指揮所移転準備を完了させた。


 衛生班は、駐屯地に患者収容所を開設し、収容所の維持運営を実施するとともに、傷病者が発生した際のヘリ患者空輸、彼我交戦中の状況下における第一線救護、大量患者発生時の後送要領の適切な状況判断などにより多くの隊員のけがの治療や命を救った。


戦闘で負傷した隊員を救護する衛生隊員


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大量患者緊急ヘリ後送


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 訓練検閲終了後、統裁官は、「通信小隊と衛生班の行動は統裁官として心強く感じた。いかなる状況においてもその能力を最大限発揮し、対馬の防衛・警備における中核として、さらなる練度向上を強く要望する」と総評した。


 対馬警備隊は「訓練検閲を通じ、多大な成果と教訓を得た通信小隊と衛生班は、引き続き対馬に精通する部隊としてさらなる進化を続ける」としている。