美幌駐6即応機動連隊(連隊長・中津1陸佐)は4月6日、同駐体育館で、「令和7年度自衛官候補生課程入隊式」を挙行し、自候生教育のスタートを切った。
美幌駐6即応機動連隊(連隊長・中津1陸佐)は4月6日、同駐体育館で、「令和7年度自衛官候補生課程入隊式」を挙行し、自候生教育のスタートを切った。
式典には美幌地方自衛隊協力会会長・美幌町長の平野浩司氏をはじめ、北海道議会議員の高橋文明、舟橋賢二、鈴木一磨の各氏のほか、自衛隊協力諸団体など多数の来賓と候補生の家族が参加した。
式典では、国歌斉唱後の任命で候補生一人ひとりの名前が読み上げられ、各候補生は起立と同時に大きく返事をした。次に候補生を代表して山田候補生が連隊長に対し、初々しくかつ溌剌とした態度で力強く申告を実施。さらに小峰候補生の先導で、全員が決意を胸に宣誓を行い、自衛官への第一歩を踏み出した。
連隊長は式辞で、「同期とともに成長せよ」の1点を要望し、「本教育における同期は、一生、同期です。これから寝食をともにし、互いを理解し、切磋琢磨(せっさたくま)し、ときには助け合いながら、任務を確実に遂行できる自衛官を、同期とともに目指してもらいたいと思います。立派な自衛官となった姿をご家族に見せることを強く期待します」と述べた。
来賓祝辞で、美幌地方自衛隊協力会会長は、候補生へ激励の言葉を送るとともに、今後の活躍を祈念した。
候補生は、自衛官として必要な基礎的教育訓練を約3カ月間受け、その後、2陸士に任命され、各職種部隊に配置されて職種ごとに必要な教育訓練をさらに受けることになる。
<編集部より>
入学、入社、入校、そして入隊…。人生にとって一つの大きな節目です。防衛日報の編集を、このコーナーを担当し、この時期ならではの自衛隊の報告を読むたびに、心の中で「がんばれよ!」と叫びたくなる気持ちは常に変わりません。3月、各地で入隊・入校予定者に対する激励会の様子を連日のように掲載したのは、その一心から。広報紙だからだけでなく、厳しい安全保障環境の中、自衛隊を選択した若者たちをとにかく、応援したかったことにほかなりません。
こうして、家族や地域に背中を押され、決意を新たにした予定者たちは、今月に入り、自衛隊の門をくぐりました。「予定者」の名は消え、新たに「自衛官候補生」に。本日は崇高な覚悟と使命を胸に、凛々(りり)しい姿を見せた各地の自衛官候補生課程入隊式の表情を1ページ特集したことを紹介します。掲載したのは5駐屯地です。
どの駐屯地にも、厳かな雰囲気の中に初々(ういうい)しく、溌剌(はつらつ)とした「若き精鋭候補生」たちがいました。
その中の一つ、美幌駐屯地6即応機動連隊では執行者である連隊長の中津1陸佐の「本教育における同期は一生、同期です」の言葉が響きました。これからの約3カ月間、ある時は喜び、また、苦しみ、悲しむこともあるでしょう。そんな時、大きな支えとなるのが同期ですから。同じ志を持ち、同じタイミングでスタートラインに立てば、それは確固たる絆(きずな)が生まれるのは至極、当然のことです。
改めてその言葉を聞くと、旧社在籍時、会社の状況もあって採用が少なかったため同期が少なく、ちょっぴりうらやましい気持ちにもなります。
福島駐屯地44普連では、15人の候補生が人生の大きな一歩を踏み出しました。候補生代表は両親らへの感謝を伝え、「今日を境に使命を果たし、社会人として責任を果たす」と答辞しました。
「今日を境に」こそ、親元を離れ、親離れする覚悟の言葉です。わが子を送り出す家族の辛く悲しい瞬間とも言えますが、子供が振り絞って、頑張って言ったことを受け止めてください。そして、3カ月後には見違えるような姿を見せてくれることを期待しましょう。私事ながら、2人の息子を送り出した親としての思いを重ねてしまいます。
入社して1週間で退社する若者たちのニュースがありました。「予想していたことと違う」などという理由のようですが、こと自衛隊に限っていえば予想している通り、厳しい訓練が待っています。国を護(まも)るという任務である以上、ある意味、予想通りとなるのです。
何よりも、「人のためになる仕事をしたい」というとても素朴ですばらしい感情から始まった自衛官への道。だとすれば、そんじょそこらの軽~い思いはないと信じています。
「がんばれ!自候生」。