【みんなのひろば】情報戦士を目指して 第12期生徒陸曹候補生課程後期(情報科)を修了して|仙台駐屯地

東北方面情報処理隊 陸士長 舛谷悠吏

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隊長への修了申告


 この度、情報学校で実施された第12期生徒陸曹候補生課程後期(情報科)を無事、修了することができました。

 入校当初は、課程教育についていけるか不安でしたが、教官、助教、同期に支えられ、乗り越えることができました。教育は、情報科の基礎となる教育であり、大変、感銘を受けました。

 情報科は高等工科学校のころは、第1希望ではありませんでしたが、この課程で情報科の基礎を習得するとともに、師・旅団司令部、移動監視隊や沿岸監視隊などから集まった同期と話していく中で視野が広がり、今では情報科に大変、魅力を感じています。

 3月下旬には陸士特技課程「初級偵察」に入校し、4月1日には3陸曹に昇任します。そして、8月からは大和駐で新たな部隊の要員として勤務する予定です。

 情報戦士として知識・技能を習得していくことは多々ありますが、これからも焦らずに一つひとつ覚え、情報科に貢献できるよう、日々邁進(まいしん)していきたいと思います。

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教育部長賞を受賞(舛谷陸士長 )

<編集部より>

IT技術などの発展で近年、情報に関する任務の重要性は急速に増しています。それは自衛隊も同じです。陸上自衛隊の隊員が知識と技術を習得する情報教育の中心となって情報科隊員を育てる拠点として、陸自情報学校の存在があります。

今回、防衛日報の所感文コーナー「みんなのひろば」で取り上げたのは、その情報学校で実施された「第12期生徒陸曹候補生課程後期(情報科)」を修了した、東北方面情報処理隊の舛谷陸士長の経験談です。

当初は「ついていけるだろうか」と不安いっぱいだったのが、基礎を習得し、同期とのコミュニケーションなどを通して「感銘を受けた」となり、最後には「情報科に大変、魅力を感じている」とまでになった経緯が記されていました。

「現代戦」はイコール「情報戦」とまでいわれる時代です。情報学校によれば、作戦に用いる「作戦情報」から国家の安全保障に関する「戦略情報」まで範囲は幅広く、必要な情報を収集、処理できるようにするため、こうした人材をいかに育成し、現場にどう生かしていくのかが求められている時代といえるのだと思います。

「新領域」といわれる宇宙での偵察衛星をはじめ、現代における戦いは宇宙のほか、サイバー空間や電磁波の分野までその領域を広げてきています。情報収集目的とされる無人偵察機の存在もあります。「敵の正面をたたくこと」だけでだめなのだということです。

軍事情報を取り巻く環境は驚くばかりの変化を遂げており、コンピューターやシステムを駆使することはもちろん、こちらの行動を秘匿して部隊の安全を確保するという「保全」、さらには、米軍との共同作戦を実施する上での情報収集などなど。現代における戦いを見越した教育、育成、人員配置、組織づくりは今、必須条件ともいえるでしょう。

将来の幹部候補生を育てる防衛大学校にはコンピューターやセンサー、ネットワークなどに携わりながら学ぶ情報工学科という学科があります。未来の陸上自衛官につながる陸自高等工科学校でも技術革新が進むことで、装備のシステム化に対応できるような授業も実施していると聞きます。

今回、情報学校で経験を積んだ舛谷士長は「情報戦士として知識・技能を習得していくことは多々ある。焦らずに一つひとつ覚え、貢献したい」と話していました。日々、進化する情報という名の環境ですが、習得するのが絶対条件でしょうから、ぜひ、そうしてもらい、大きく貢献してほしいと思います。