<北海道>留萌駐(司令・小川1陸佐)は1月15日、駐屯地所在の部隊、諸隊が「令和7年訓練始め」として、初めてにしん船ばん馬レースを行い、部隊の団結・士気の高揚を図った。
優勝をつかみ取ったには…
<北海道>留萌駐(司令・小川1陸佐)は1月15日、駐屯地所在の部隊、諸隊が「令和7年訓練始め」として、初めてにしん船ばん馬レースを行い、部隊の団結・士気の高揚を図った。
優勝をつかみ取ったには…
留萌・旭川一家の隊員たちは、息を合わせ、休暇明けを感じさせない力強い走りでにしん船を引き、寒さを吹き飛ばすほどの熱戦を繰り広げ、優勝を争った。
訓練始めにあたり全般説明を実施 担当:高数後3佐(司令職務室長)
強風の中、にしん船ばん馬レースが開始
しん船に乗る隊員も声援を送る 乗船者:稲葉3曹(重迫)
レースに参加した隊員は、スタートを知らせる赤旗に注目し、戦いの火ぶたが切られた瞬間に周りで見守る隊員から大きな声援が送られ、ゴールを目指して全力で走り出した。
一致団結して初戦を突破し会場を沸かせた 留萌駐屯地業務隊
最後まで大接戦だった決勝戦! 決勝:(左)重迫撃砲中隊 対(右)第4中隊
結果は、大接戦の末、4中隊が優勝をつかみ取り、訓練成果を遺憾なく発揮した。
栄誉を称えて! 優勝:第4中隊(監督:三浦3尉)
留萌駐は「今年も引き続き、団結・規律・士気を向上させ、あらゆる任務を達成できるよう訓練に邁進(まいしん)していく」としている。
<編集部より>
新しい年が明け、各部隊も気持ちを引き締めて激動の令和7年をスタートさせました。今年一年の任務の完遂に向け、休暇で少しゆっくり、のんびりした日々を送った隊員たちはトップの訓示で奮い立ち、恒例のイベントで一気に士気を高揚させるのです。そこで、防衛日報では本日(1月24日付)2面から、年頭ならではの行事を「令和7年 始動」のタイトルで随時、紹介することにしました。
まずはその1回目。岩見沢駐屯地、美幌駐屯地、函館駐屯地28普連とともに、「異彩(?)」を放ったのが留萌駐屯地でした。その名は「にしん船ばん馬レース」。ばん馬はわかっていても、ニシン船???…。
ネーミングにひかれて新聞で掲載しようとしても、知識が追い付かないので、いろいろ調べてみました。ニシンで栄えた留萌の歴史と文化を伝承し、「春告げ魚」と呼ばれるニシン大漁を祈願するため、当地では毎年3月、「萌っこ春待里(もえっこはるまつり)」が実施され、その中のイベントに約700キロのニシン船をチームで引き、ゴールする「萌っこばんばレース」という勇壮な雪上競技があったのでした。ちなみに、昨年の2024年大会で優勝したのは、留萌高校野球部の元気な球児だったようです。
話を留萌駐に戻します。そんな背景がある地に所在し、「地域とともに」を一大スローガンとする自衛隊にとっては、当たり前のように採用したくなる、いや、しないといけない、ぐらいのことなのかもしれません。新年一発目の「任務」は、「これしかないでしょ!」となったかどうかはともかく、船の大きさや重量はまつりと違うのかもしれませんが、そんなことはどうでもよし。全7個チームが休暇明けを感じさせない力強い走りで「団結・規律・士気の向上」につなげたことでしょう。
レースの写真も多く寄せられました。ニシン船に乗り、檄(げき)を飛ばしている隊員の一枚もよかったので、そろって走る全体写真とともに使用させていただきました。
企業などでも年頭のタイミングで趣向を凝らした行事を実施するのは珍しいことではありませんが、そこは自衛隊。岩見沢駐は中隊同士の綱引き、函館駐28普連は連隊統制駆け足でした。まずは体を動かすこと。それこそ「らしさ」を感じます。
もちろん、それが、地域の大きな特色を生かしたものであれば、なおいいことではないでしょうか。転勤が多い自衛隊ではありますが、一定期間、少なくともその地で暮らし、訓練を続けていく以上、しっかりと意識することがとても大切なことと思うからです。
※「にしん」は用事・用語的にはカタカナにしますが、駐屯地のレース名だけは固有名詞という扱いでそのままひらがなにしています。新聞も本文に合わせ、見出しもえときもひらがなにしました。
他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。