現場で試される連携力 救助と炊き出しで災害対応力を錬磨

第14普通科連隊

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石川県防災総合訓練

防衛日報 2025年12月19日付


 金沢駐14普連(連隊長・澤田1陸佐)の1中隊長以下20人は11月2日、石川県かほく市内で実施された「石川県防災総合訓練」に参加した。


 訓練は、地震や大雨による複合災害を想定し、住民約1万人、県警、消防、D-MAT、陸自など約100機関が参加し、実動訓練が展開された。


 20人は、土砂埋没者の救助訓練や炊き出し支援を担当した。救助訓練では、限られた視界とぬかるんだ地面の中で要救助者人形を慎重に搬出。隊員らは「現場では一瞬の油断も許されない。連携の重要性を改めて実感した」と話していた。


 合同調整所での連携訓練では、警察や消防と情報を共有しながら、刻々と変化する現場状況に基づき、行動を調整した。隊員は「関係機関との連携は平時からの積み重ねが重要。顔が見える関係があるからこそ、災害時にも迷いなく動ける」と語った。


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土砂埋没者の救助訓練


 一方、高松中学校での炊き出しでは、隊員が息を合わせて豚汁を調理。冷たい風が吹き抜ける中、温かな湯気とともに香ばしい匂いが立ち上り、住民の長い列ができた。


 「寒い中で食べると、ありがたみが違う」と笑顔を見せる来場者に、隊員も顔をほころばせた。


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豚汁の炊き出し


 14普連は「災害現場を想定した実動訓練を通じて、住民との交流が深まり、地域の防災意識向上にもつながった今回の訓練。隊員たちの真剣なまなざしと汗は、地域を守る強い使命感を感じさせた」としている。