104施設器材隊が「阿武隈川清掃美化運動」に参加|船岡駐屯地

第104施設器材隊

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水上からの作業


 船岡駐104施設器材隊(隊長・生越2陸佐)はこのほど、宮城県丸森町阿武隈川で、一般財団法人丸森町観光物産振興公社が主催する「令和6年度第27回阿武隈川清掃美化運動」に参加した。


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 支援は、104施設器材隊の災害担任隊区である丸森町の事業に協力し、自衛隊に対する信頼感、親近感の醸成、阿武隈川の環境向上が目的で、104施設器材隊架橋中隊長以下24人の隊員が約400人の住民とともに阿武隈川とその近傍の清掃を行った。


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民間の方々との協同作業


 自衛隊は、陸上班と水上班に分かれ、地域住民では作業することが難しい水際の地域で、倒木の切断、古タイヤ・粗大ごみなどの収集・運搬をした。地域から重機による運搬、ごみの分別などの支援を受けながら、無事に清掃活動を終えた。


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陸上からの作業

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倒木の切断作業

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倒木の運搬作業

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水上からの作業

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急斜面での作業


 104施設機材隊は「運動を通じ、隊友会、地域住民との一体感を肌で感じ、隊員一同、非常に充実した時間を過ごすことができた。今後も地域貢献および地域住民との信頼関係の構築に取り組んでまいります」としている。


陸上自衛隊 船岡駐屯地

陸上自衛隊 船岡駐屯地 第104施設機材隊

陸上自衛隊 船岡駐屯地【公式X】


<編集部より> 

私たちの生活に周囲の自然環境は大きな影響を与えてくれます。海が近くにあれば、魚などの恵みをもたらしてくれ、川が身近にあれば夏場なら暑さをしのぎ、四季折々の風景に心を和ませてくれ、山をいただく地域ならばきらびやかな雪景色が冬を感じさせてくれます。

もちろん、津波、豪雨や増水、氾濫(はんらん)、雪崩…など自然の温かさが突然、脅威に変わることはあります。ありますが、押しなべてそこに住む人たちにとっては、まさに生活を形成する上で大きな役割を果たしてくれる。それが、自然環境の素晴らしさなのです。

たとえば、川。本日、紹介するのは船岡駐屯地104施設器材隊が「令和6年度第27回阿武隈川清掃美化運動」に参加したという話題です。器材隊の架橋中隊長以下24人が地元住民約400人とともに、阿武隈川とその近傍の清掃を行いました。

400人という人数も相当なものです。そこには「まちの誇り」であり、「母なる川」として親しむ阿武隈川ですが、近年は周辺の多くのごみなどの影響で環境汚染が進んでいました。少し調べてみると、政府が令和4年3月に「阿武隈川流域水循環計画」を策定し、水質改善や治水、生態系の維持、回復を図る取り組みをすべし、と動いた経緯があったようです。

こうしたこともあったのか、地元住民が立ち上がりました。地域との一体感を目指す自衛隊がその仲間に加わり、今では一つの風物詩的なイベントにまで成長したということです。参加人数を見ても、意識の高さがよくわかります。

茂みの中の隅々までごみを拾い集め、歩いては入れない水際の作業や倒木の切断などは自衛隊、それも施設部隊の「得意分野」です。毎年、巨大な古タイヤが集められ、粗大ごみの多さも拍車をかけたようです。住民と隊員がその一つひとつのごみをリレー形式で運搬し、分別する。そんな姿こそ、地域との信頼関係につながるというもの。隊員たちは「いい汗」をかき、あすへの活力が湧く活動となったことでしょう。

阿武隈川が美しくなり、気持ちもきれいになる―。住民にとって生活の一部である阿武隈川の清掃美化運動は、単に川がきれいになるだけではなく、川とともに生きる住民とその地域、そして、地域とともに生きる自衛隊という構図にまで影響を与えるものだと思うのです。清掃前から清掃後を経て、確かな信頼関係の醸成につながったことでしょう。