中部方面混成団隷下の49普連(連隊長・近藤1陸佐)は3月5日、「令和6年度連隊武装断郊走競技会」を、同7日に「令和6年度連隊機関銃射撃競技会」をそれぞれ実施し、戦技能力向上、団結の強化、士気の高揚を図った。
中部方面混成団隷下の49普連(連隊長・近藤1陸佐)は3月5日、「令和6年度連隊武装断郊走競技会」を、同7日に「令和6年度連隊機関銃射撃競技会」をそれぞれ実施し、戦技能力向上、団結の強化、士気の高揚を図った。
連隊武装断郊走競技会は、駐屯地内に設定された4キロのコースを戦闘服に鉄帽、水筒などの装備を身に着け、5~6人で編成したチームで走破する。コースには無線機操作、負傷者救護処置・担架搬送エリアが設置され、激動時における冷静な無線機操作やチームで力を合わせた担架搬送が必要となるよう工夫された。
競技は、チームの走行タイムで競うチームの部と各中隊のチームの平均タイムで競う中隊の部が設定。個人の走力はもとより、激動時における冷静な行動、チームワークなどさまざまな要素で順位が変動する。
競技の結果、中隊の部では平均タイムで2位に1分以上の差をつけた2中隊が優勝した。
一方、連隊機関銃射撃競技会は5.56ミリ機関銃MINIMIの射撃精度を競う。各普通科中隊(1~5中隊)からそれぞれ3人の機関銃手が選抜されて競技に参加し、日々の練成成果を競った。
競技は中隊の平均得点、個人の獲得得点で順位が決定され、競技の結果、1中隊が制した。
両競技会後に実施された閉会式では、入賞した中隊、個人の表彰を実施。連隊長は「われわれは有事において、いつ、いかなる場合にも即応し、かつ任務を達成しなければならないことは皆も承知のとおりである。引き続き、平素から練成に励んでもらいたい」と講評を述べた。
<編集部より>
陸上自衛隊中部方面混成団隷下の49普連でこのほど、「連隊武装断郊競技会」が「機関銃射撃競技会」とともに実施されました。「断郊走」は今や部隊ではよくある競技会ですが、この「断郊」、そもそもの意味を調べると、その名の通り「郊外の田野、森林などを横断する」とあります。どことなくクロスカントリーを想像してしまいますが、そこは自衛隊です。
今回のコースは駐屯地内に設置された4キロ。まずは、ここに「武装」が加わります。戦闘服、鉄帽、水筒などの装備を身にまとい、5~6人で編成されたチームで走破するものです。
これで走るのすら大変なことですが、さらに、加わります。
コース上に工夫された負傷者救護処置・担架搬送エリアなどの設置です。そこには冷静な行動やチームワークとしての工夫などが要求され、一連の動きをタイムで競うという競技なのです。
寄せられた多くの写真の中からは、まさに救護処置の場面をとらえた1枚を新聞でも掲載しました。こういうところで遅れが生じれば、タイムに影響してしまいます。装備を付けて走り、そして激動時にどう対処できるのかなどが試されるエリアも。すべてが実戦を想定した動きを確認する訓練となっているのです。
連隊長の「有事に即応し、任務を達成しなければならないのは承知の通りである」のコメントがすべてを表しています。改めて自衛隊ならではの競技会なのだと思いました。
中1日置いて、「連隊機関銃射撃競技会」では各普通科中隊から3人ずつの機関銃手が選抜され、5.56ミリ機関銃MINIMIの射撃精度を競いました。
ここでも3人のチームワークは欠かせません。戦技能力の向上はもちろんのこと、1人の射撃精度次第ではチームへの影響が出るわけですから、団結心の強化もまた欠かせません。
競技会は日頃の練成の成果を発揮する場です。結果を出せるかどうかが最大のねらいであることはは言うまでもないことですが、すべては有事につながるもの。改めて気持ちを奮い立たせ、士気をさらに高揚させる上でも貴重なイベントなのだと思います。