日豪外務・防衛閣僚協議と防衛相会談を終えた9月5日午後、中谷大臣とマールズ豪国防大臣が向かったのは、海自横須賀基地だった。目的は、「もがみ」型護衛艦「みくま」の視察。一緒に乗艦し、共同記者発表を行った。
日豪外務・防衛閣僚協議と防衛相会談を終えた9月5日午後、中谷大臣とマールズ豪国防大臣が向かったのは、海自横須賀基地だった。目的は、「もがみ」型護衛艦「みくま」の視察。一緒に乗艦し、共同記者発表を行った。
両氏は豪海軍の次期汎用フリゲートに令和6年度型護衛艦(「もがみ型)能力向上型)が選定されたことを受け、同型艦の艦上で改めて防衛協力を新たな段階に引き上げることで一致した。
中谷氏は今回の事業を「日豪防衛協力をさらなる高みに引き上げる第一歩」と位置づけ、総合運用性の向上や整備基盤の強化、サプライチェーン協力など5点を挙げた。
その根底にあるのは「開放性、包摂性、透明性を確保し、国際秩序と国際公共益に資する」という理念とし、自身が提唱する「OCEANS防衛構想」の精神だと説明した。
これに対して、マールズ氏は、同艦の選定を「二国間関係における節目」と表現し、「能力とコスト面で優れた艦艇を早期に豪海軍へ導入したい」と述べた。
事業は両国産業基盤の協力を促し、同型艦の運用により海自と豪海軍の連携が一層強まる意義があると指摘した。
さらに、2023年に発効したRAAの下で既に多くの活動が実施されており、今月後半には豪駆逐艦「ブリスベン」が初めて日本で整備支援を受ける予定だと紹介。
来年が日豪友好協力基本条約締結50周年の節目に当たることを踏まえ、関係を次の段階に発展させる意向を示した。
マールズ氏は「日本ほど戦略的信頼を置ける国はほかにない」と強調。
中谷氏も「『みくま』の艦上でリチャード(マールズ氏)と肩を並べて成果を発表できることをうれしく思う」と述べた。
日豪が「特別な戦略的パートナーシップ」として今後も協力を深化させていく考えを確認するなど、両氏は晴れやかな表情で結束をアピールした。