栃木地本(本部長・松田1陸佐)は8月23、24の両日実施された募集対象者5人による護衛艦「かが」体験宿泊参加を支援した。体験宿泊は、横須賀基地の岸壁に停泊している「かが」に1泊2日で宿泊するもの。海のない栃木県ではなかなか体験できない海のイベントに、参加者たちは皆とても楽しみにしている様子だった。
栃木地本(本部長・松田1陸佐)は8月23、24の両日実施された募集対象者5人による護衛艦「かが」体験宿泊参加を支援した。体験宿泊は、横須賀基地の岸壁に停泊している「かが」に1泊2日で宿泊するもの。海のない栃木県ではなかなか体験できない海のイベントに、参加者たちは皆とても楽しみにしている様子だった。
当日は、雲一つない夕暮れ時に横須賀基地の岸壁に到着すると、まず大きな護衛艦が目に入り、参加者たちはその大きさに驚いた様子だった。
乗艦する前は参加者から「緊張する」と言葉が出ており表情が硬くなっていたが、乗艦し、海自、護衛艦の説明を受けていると楽しそうな笑顔が増え、体験喫食が終わるころには緊張も解け、食堂の広さと食事の内容に目を輝かせていた。
喫食後は、巡検随行(当直が艦内を巡回して、異常がないかの点検をするもの)を体験し、隊員との懇談を行うなど護衛艦の一日を満喫し、就寝した。
次の日は海自が保有するヘリの体験搭乗で終了。参加者は海自にすっかり興味を抱いた様子だった。
参加者は「あっという間の2日間でした。普段は絶対に体験できない護衛艦の宿泊や内部を見ることができ、うれしかったです」と笑顔で話してくれた。
栃木地本は「今後も各種イベントを通じ、募集対象者らに自衛隊の魅力を発信するとともに、艦艇広報は海のない栃木県で海上自衛隊を体験してもらえる特別なチャンスと捉え、積極的に活用していく」としている。
<編集部より>
海上自衛隊のさまざまな艦艇が見学できる「艦艇広報」。今年も各地本から多くの報告が寄せられました。夏ならではの「船と青い海」の光景はまさに、一つの風物詩的なものです。
中でも、圧倒的な迫力の自衛隊の艦艇は、自衛隊大好き人間は当然としても、誰しもが一度は見てみたいと思うものでしょう。それが、1泊2日で体験できるなんて…。
防衛日報が本日(9月30日付)1面トップ記事として掲載したのは、栃木地本が募集対象者5人を対象に実施した護衛艦「かが」への体験宿泊の報告です。何と言っても2日間の「泊まりがけ」でした。地本の広報担当者に聞いても珍しいということです。
夏休み中、駐屯地などが子供たちを対象に企画する宿泊体験も思い出作りにはもってこいなのですが、今回のように護衛艦での宿泊というのが貴重すぎるものなのです。
もちろん、記事にもあるように、海のない栃木県だからこそなかなか体験できないということもありますが、艦艇の中で隊員と寝食をともにすること自体がいい話じゃないですか。地本に聞けば、寝る場所は普段、隊員が寝泊まりするベッドとのこと。「ここで寝てるのか…」と思うだけでも、隊員の日常が少しは感じることができるというものです。
5人はまず、大きな護衛艦の姿に驚き、説明を受けて知識を増やし、楽しい体験喫食で気持ちもお腹も満腹状態に。そして、隊員たちとのおしゃべりは尽きなかったことでしょう。
修学旅行の夜、皆で布団をくっつけながら語り合い、先生から「早く寝なさい!」と言われるまで楽しむ。そんな光景を思い出したくもなります。何でもそうですが、泊まりがけの良さなのです。
一夜明ければ、海自が保有するヘリの体験搭乗が待っていました。「あっという間の2日間でした」と参加者のコメントを見るまでもなく、日帰りだけでも初体験ならば満足感いっぱいであるのに、2日間ですから大満足です。
地本の担当者によると、今回の体験宿泊については1カ月ほど前に急きょ、上級部隊から連絡があったようです。艦艇広報自体、艦艇の航行予定などに左右もされるので、早い段階で日程を決定することが難しいのは仕方がないことですが、それでも貴重な企画は実現したのです。
海自が広報活動に力を入れており、地本が窓口となって広報し、参加者を募ることでその流れが2倍にも3倍にも大きな広報効果としてつながっているのだと思います。一人でも多くの対象者に知らせることで、入隊へのさらなる意欲につなげてもらえるからにほかなりません。
さらに言わせていただければ、僭越(せんえつ)ながら防衛日報がその意図を少しでも汲(く)んで新聞でまとめ、一方でデジタル版でも紹介することで広く、多くの読者(ユーザー)に広報する―。それこそが広報紙としての大きな責務である、と改めて肝に銘じていきたいと思います。