陸自10師団(師団長・垂水陸将)は9月、東富士演習場で実施した「令和7年度第3次師団訓練検閲」で、14普連、10高射特科大隊の訓練検閲を実施した。
14普連に対して、師団から独立的に行動する普通科連隊の行動を、10高射特科大隊に対しては、基幹部隊に配属された高射特科大隊としての行動を検閲課目としてそれぞれ検した。
訓練開始式で統裁官(10師団長)は訓示で、14普連に対し「情報、火力および機動を密接に連携させ、任務を達成せよ」「損耗を出すな」の2点を、10高射特科大隊に対しては「レジリエンスを確保しつつ、その対空機能を十分に発揮し、任務を達成せよ」の1点を要望した。
状況開始後、14普連は速やかに情報部隊を潜入させて情報収集を開始。敵警戒部隊の駆逐のため砲迫火力を発揮しつつ、前衛中隊が前進を開始した。その間、敵ドローンによる攻撃、特殊武器による攻撃、電波妨害による通信障害に対する対処など、あらゆる状況に対応し、各職種部隊と密接に連携して敵警戒部隊を駆逐し、日頃の練成成果を遺憾なく発揮した。
また、10高射特科大隊は、状況開始後、速やかに陣地を占領。味方部隊への対空防護態勢をとりつつ予備陣地の構築、敵襲撃部隊への対処、新領域の作戦環境下における対空火力の運用など、あらゆる状況に対応しつつ対空戦闘を実施し、基幹部隊に配属された高射特科大隊としての能力を十分に発揮した。
検閲は、受閲部隊である14普連、10高射特科大隊が敵味方に分かれ、双方が真剣に取り組んだことで統裁官の要望事項を各部隊が具現化し、十分な成果を得ることができた。
また、検閲には、HTC(北海道訓練センター)へ向けた練成部隊として35普連、10後方支援連隊、10偵察戦闘大隊、10施設大隊、10通信大隊、10特殊武器防護隊が参加するとともに、3師団から3偵察戦闘大隊の1個戦闘小隊(MCV3両)、中方特科連隊から火力調整補佐者とFO(前進観測班)が協同部隊として参加し、貴重な訓練基盤を最大限活用して練度向上を図った。
10師団は「今回得た教訓を生かし、さらなる強靭なきょうじん 部隊の創造に努めていく」としている。