国防の未来を背負う15人、力強く宣誓!自候生が福島で1歩を踏み出す|福島駐屯地

第44普通科連隊

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敬礼をする候補生


 福島駐44普連(連隊長・南利1陸佐)は4月5日、同駐で、「令和7年度自衛官候補生課程入隊式」を挙行した。

 

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福島Sta Band


 入隊式は福島駐音楽隊の盛大な演奏で幕を開けた。多くの来賓や家族に見守られ、制服に身を包んだ15人の候補生を代表して平塚候補生が力強く申告、宣誓を行った=写真。

 

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式辞(南利連隊長)


   南利連隊長は式辞で、「数多くの職業の中から、国防という国家として極めて重要な任務を有する自衛官を志し、自衛官候補生として入隊を決意したことに深く敬意を表したい」とした上で、今後の教育期間において「必要な識能を習得せよ」「自覚を保持せよ」「同期との絆をきずな 深めよ」―の3点を要望した。 

 

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答辞(松原候補生)


 また、候補生を代表して松原候補生が「今までは両親や家族に頼り、甘えて生活してきましたが、今日を境に自衛官候補生として使命を自覚し、また、社会人として責任を果たすよう、教育隊長要望事項『前向きに』を合言葉に、本教育課程を修了できるよう頑張る決意であります」と答辞を述べた。

 

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ファンシードリル隊①

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ファンシードリル隊②


 最後に15人の入隊を祝し、ファンシードリル隊の演技で花を添えた。

 参列した家族は、社会人として、候補生として人生の大きな一歩を踏み出した子供の姿に感動し、ともに自衛隊入隊の良き日を喜び合った。


陸上自衛隊 福島駐屯地

陸上自衛隊 福島駐屯地【公式X】


<編集部より>

 入学、入社、入校、そして入隊…。人生にとって一つの大きな節目です。防衛日報の編集を、このコーナーを担当し、この時期ならではの自衛隊の報告を読むたびに、心の中で「がんばれよ!」と叫びたくなる気持ちは常に変わりません。3月、各地で入隊・入校予定者に対する激励会の様子を連日のように掲載したのは、その一心から。広報紙だからだけでなく、厳しい安全保障環境の中、自衛隊を選択した若者たちをとにかく、応援したかったことにほかなりません。

   こうして、家族や地域に背中を押され、決意を新たにした予定者たちは、今月に入り、自衛隊の門をくぐりました。「予定者」の名は消え、新たに「自衛官候補生」に。本日は崇高な覚悟と使命を胸に、凛々(りり)しい姿を見せた各地の自衛官候補生課程入隊式の表情を1ページ特集したことを紹介します。掲載したのは5駐屯地です。

   どの駐屯地にも、厳かな雰囲気の中に初々(ういうい)しく、溌剌(はつらつ)とした「若き精鋭候補生」たちがいました。

   その中の一つ、美幌駐屯地6即応機動連隊では執行者である連隊長の中津1陸佐の「本教育における同期は一生、同期です」の言葉が響きました。これからの約3カ月間、ある時は喜び、また、苦しみ、悲しむこともあるでしょう。そんな時、大きな支えとなるのが同期ですから。同じ志を持ち、同じタイミングでスタートラインに立てば、それは確固たる絆(きずな)が生まれるのは至極、当然のことです。

   改めてその言葉を聞くと、旧社在籍時、会社の状況もあって採用が少なかったため同期が少なく、ちょっぴりうらやましい気持ちにもなります。

   福島駐屯地44普連では、15人の候補生が人生の大きな一歩を踏み出しました。候補生代表は両親らへの感謝を伝え、「今日を境に使命を果たし、社会人として責任を果たす」と答辞しました。

  「今日を境に」こそ、親元を離れ、親離れする覚悟の言葉です。わが子を送り出す家族の辛く悲しい瞬間とも言えますが、子供が振り絞って、頑張って言ったことを受け止めてください。そして、3カ月後には見違えるような姿を見せてくれることを期待しましょう。私事ながら、2人の息子を送り出した親としての思いを重ねてしまいます。

入社して1週間で退社する若者たちのニュースがありました。「予想していたことと違う」などという理由のようですが、こと自衛隊に限っていえば予想している通り、厳しい訓練が待っています。国を護(まも)るという任務である以上、ある意味、予想通りとなるのです。

   何よりも、「人のためになる仕事をしたい」というとても素朴ですばらしい感情から始まった自衛官への道。だとすれば、そんじょそこらの軽~い思いはないと信じています。

「がんばれ!自候生」。