自衛官なりきり体験に夢中 ちびっ子大会で笑顔あふれる一日|豊川駐屯地

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集合写真

防衛日報 2025年10月22日付


 豊川駐(司令・林1陸佐)は9月13日、「令和7年度ちびっ子大会」を開催した。行事は、小学生を対象に陸自(駐屯地)に対して親近感を持ってもらうことを目的として実施し、公募により小学生36人、保護者ら37人が参加した。


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ロープワーク


 参加した子供たちは5つの班に分かれ、自衛官の班長、班付の引率の下、開会式をはじめ、ペーパークラフト、自衛官なりきり写真撮影、ロープワーク、車両体験試乗、駐屯地部隊装備品展示、三河史料館の見学を行うとともに、参加者全員での記念撮影を実施した。


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自衛官の班長、班付が引率

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お楽しみ抽選会

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三河史料館見学


 当日は、あいにくの雨のため、晴天時に計画してあったボルダリングやロープ橋などの野外で行う課目が変更になって残念がっている子供もいたが、集中してペーパークラフトを作成したり、迷彩服などを身に付け、自衛官になりきったポーズで写真撮影をしながら楽しんでいた。


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ペーパークラフト

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なりきり写真


 また、昼食には駐屯地隊員食堂で隊員と同じように食事を取った。中にはご飯を大盛りにする子供も見られたが、残さず食べ、「おいしい!」「おかわりしたい!」などの声があった。


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体験喫食


 行事を通じて小学生同士の交流も深まり、子供たちからは「楽しかった」「来年も来たい」「大きくなったら自衛官になりたい」などの声も聞かれた。


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体験試乗


<編集部より>


小学生を対象としたこんなデータがあります。毎日小学生新聞編集部による「小学生が選んだ重大ニュース」です。

2024年(令和6)版によると、1位は昨年元日に発生した「能登半島地震の発生」でした。ちなみに、2位は「大谷翔平選手の大活躍」、3位が「20年ぶりの新紙幣発行」。その一方で、9位には「ロシアによるウクライナ侵攻」が入っていました。

能登半島地震は連日、メディアで取り上げられ、被災者の中には小学生も多くいました。家族間では災害への備えだけでなく、家族の絆(きずな)や家族のありようなどを考えるきっかけともなりました。上記の小学生たちは、さまざまな思いをめぐらせたことでしょう。

要は、「災害大国」の日本列島ではいつ、どこで大地震が起きるかわからないということ。家庭で、学校で教えられた小学生は、小学生なりに災害を感じたことと思うからこその1位という結果のように思うのです。

そこで、本日(10月22日付)2面に掲載した防衛日報の紹介です。陸上自衛隊豊川駐屯地が実施した恒例の「ちびっこ大会」。公募で選ばれた小学生36人がペーパークラフトから自衛官なりきり写真撮影、ロープワーク、車両体験試乗、装備品展示、そして、「お目当て」の体験喫食…と、自衛隊を存分に楽しんだようです。

隊員と触れ合い、話を聞くことで自衛隊を知る一方で、なぜ、こうした装備品があり、なぜこんな車両があるのかなどと素直な疑問が頭をよぎった小学生がいたかもしれません。自衛隊を体験し、よりその内容を知ることで自衛隊の任務にたどりつくわけです。ウクライナ侵攻、中国の海洋進出、北朝鮮のミサイルなどはもはや、小学生の心の中にもかなりの部分で植え付けられているはずです。日頃の訓練がなぜ、必要なのか、が体験を通して結びつくという理屈といえるのです。

一方で、頻繁に発生する自然災害で出動し、命を助けるための活動に邁進(まいしん)する隊員の姿、活躍する車両や航空機、艦艇などを目の当たりにすることで、自衛隊の国防と並ぶ大きな「災害派遣」という任務もまた、理解できるというもの。小学生でも高学年となればその範囲は広がるものかと思います。

今回の豊川駐のように子供たちとの交流行事は各地で行われています。今、携帯に限らずさまざまなツールで情報を得る時代であるからこそ、大人だけでなく、より新鮮な気持ちや、より斬新な発想を持つ小学生ら子供たちにも自衛隊を少しでも多く知ってもらいたいという表れであることは言うまでもないことです。

報告の最後に、参加した小学生から「大きくなったら、自衛官になりたい」という声がありました。まだまだ、小学生。進路は今後、変わっていくかもしれませんが、「あの時」の一つの自衛隊体験です。「テレビの災害派遣活動で見た自衛隊の人たちだ!」。そんな気持ちが、真剣に進路を考える時期にふっと沸いてくることだってあるのです。友人もそうです。「初志貫徹」でした。

わずか一日だけの「ちびっ子大会」の経験ですが、自衛隊を知るきっかけとなったことは間違いのないところです。「挑戦してほしいな…」とちょっぴり、期待したくなりました。

るため、自衛隊には絶対に欠かせない大きな訓練なのですから。