数万年前の空気がはじける 南極の氷に触れて学ぶ|鹿児島地本

鹿児島募集案内所

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南極の氷に触れる生徒たち

防衛日報 2025年12月12日付


 鹿児島地本鹿児島募集案内所(所長・前川3陸佐)は11月7日、鹿児島市立吉田北中学校で、第66次南極地域観測協力で砕氷艦「しらせ」により持ち帰った南極の氷の贈呈式を実施した。


 隣接する吉田小学校の児童も参加し、併せて39人に対して氷に直接触れてもらうとともに、観測隊の活動などについて説明した。


 今回、贈呈をした吉田北中学校は、全校生徒が毎朝のボランティア活動に取り組むほか、地域のボランティア団体と連携。年2回の校区内の美化活動を行い、自然環境との調和を目指した校内の環境緑化に取り組んでいる。


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生徒代表へ南極の氷を贈呈


 贈呈式は、学校教育への協力の一環として県内の小・中学校に対して南極の氷を贈呈し、実体験を通じて科学に対する関心や地球の環境問題への意識を高めてもらい、さまざまな体験を基に将来、いろいろな分野で活躍してもらうことを目的として実施した。


 贈呈に先立ち、鹿児島地本募集課広報班長を務める龍野3海佐により、南極大陸の特性、「しらせ」や自衛隊の活動などについて丁寧な説明を実施した。


 体験では、長い月日をかけ降雪の自重で固められた氷を直に手の平で触れてもらい、融けにくい南極の氷の特性を感じてもらうとともに、氷の中に閉じ込められていた数万年前の空気が弾ける音を体験してもらい、日本から遠く離れた南極大陸のイメージアップを図った。


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ライトで照らし氷の中の様子を観察

 

 参加した生徒、児童からは、「日本を出てから、南極に着くのにどれくらいかかりますか」「どういうものを食べて生活しているのですか」などの質問を受けるとともに、「遠く離れた南極の氷が、私たちの学校に届けられていることに大きな驚きと感動を覚えました」「地球環境や自然の尊さについて改めて考えるきっかけとなりました」などの感想があり、南極観測隊の活動について理解向上を図った。


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記念撮影


 鹿児島所は「引き続き学校教育への積極的な協力により、自衛隊の活動などの周知を図るとともに自衛隊の魅力を発信していく」としている。