激走!訓練はじめはグループ対抗武装走|陸自6師団

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 <山形>陸自6師団司令部(師団長・楠見陸将)は1月7日、年頭行事、訓練はじめを実施し、新たな気持ちで令和7年の隊務を開始した。

 
だるまに目入れも

 年頭行事では、楠見師団長をはじめ各部課長らが新年の決意を表明。満願成就の願いを込め、新しいだるまに目入れを行った。

達磨の目入れ

年頭の辞

 引き続き、訓練はじめとして各部課室を5グループに分け、グループ対抗による武装走を司令部庁舎周辺で実施。各チームが一丸となり、隊員一人ひとりが白熱した走りを繰り広げた。応援にも熱が入り、一体感のある訓練はじめとなった。

 6師団は「令和7年も、いかなる任務も完遂しうる第6師団を創造しつつ、隊務に邁進(まいしん)してまいります」としている。

バトンを受取る開幕僚長

各チーム激戦

激走する山本副師団長


◆関連リンク
陸上自衛隊 第6師団
https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/

<編集部より>

 新年早々、勢いのある報告が陸上自衛隊6師団司令部から届きました。おん年50代の師団長、副師団長、幕僚長の幹部3人が年頭行事の「訓練はじめ」で実施されたグループ対抗の武装走で「激走」。しっかりとタスキならぬ銃をつないでいました。

 まさに、「繋(つな)ぐ=団結心、連帯感の強化」を3役が自ら体現している姿に拍手を送りたくて、また、読者の皆さんにも共有してほしくて、防衛日報の本日(1月22日付)2面のトップ記事として紹介し、写真も「だるまの目入れ」を含め、ドーンと5枚使用してみました。

 年初の特別なイベントとはいえ、最高幹部3人が若い隊員と混じっての参加にとても興味がありました。6師団広報班の石山1陸曹によれば、ほかの行事などで3役のだれかが走ることはあっても、そろってのケースは少ないそうです。走った距離は約200メートルでしたが、そこは「『たかが200メートル』というなかれ、『されど200メートル』」なのです。

 トップ3人は1グループ24人でつなぐ5グループによる対抗の武装走の一員として、それぞれのグループで参加していました。何せ、走る順番はそれぞれのチームが早い段階で決めるとのこと。フタを開けてみたら、若い隊員と同じ区間を走ることだってあったことでしょう。

 余裕で走り抜けたのか、懸命に走り切ったのかはともかく、まさに「率先垂範」。自衛隊ならではの「上意下達」の「上」の人たちの走りには、下の人間からすれば年齢的なことはあるにせよ、「どんな走りをするのかな」と関心があり、つないだ時には自然と拍手を送りたくなるような気持ちにさせてくれたのではないかと思ってしまいます。

 師団長の楠見陸将はアンカーを務めていました。その瞬間を捉えた一枚の写真には、笑顔と拍手で迎え入れたほかの隊員たちの柔らかな表情が写っていました。

 そこなのです。たとえ常時ではないにせよ、トップたちも一緒に走ることはとても重要なのです。たとえ200メートルであったにせよ、上も下もない、そんな状況の中で走り、ともに喜び、悔しさを分かち合う―。チームとして、また、組織として自衛隊が自衛隊である上で重要な要素である「一丸、団結、連帯」につながるものだからです。

 地域のマラソンや駅伝などに隊員が参加した報告はよく寄せられます。日頃の練成の成果を走りに変えて健闘する姿はすばらしいものがあります。そして、今回の6師団の訓練はじめで言うなら、「3役そろい踏み」である上に、全力疾走で駆け抜ける競走という点で個人的には「プラスα」の得点を差し上げたくなるような報告でした。

 幹部たちの走りを見つめた隊員一人ひとりが、決意をさらに強め、日本の守りと安心・安全という崇高な任務を果たすべく、激動の令和7年を走り抜けてもらいたいと思います。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報1月22日付PDF