家族と祝う駐屯地年忘れ行事 笑顔で一年を締めくくる|倶知安駐屯地 

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恒例の餅つき

防衛日報 2025年12月26日付


 倶知安駐(司令・田中2陸佐)は12月12日、駐屯地体育館で「駐屯地年忘れ行事」を実施した。行事は倶知安町自衛隊協力会会長の文字一志倶知安町長をはじめ、関係協力機関などの来賓を招いて行われ、隊員たちは家族とともに一年の労をねぎらい、さらなる飛躍と発展を祈念した。


 行事開始後、恒例の餅つきに続き、第27代駐屯地司令の栗山秀光氏による居合の実演が行われ、まるで実際に誰かと対峙(たいじ)しているかのような研ぎ澄まされた気迫ある演武が披露されると、にぎやかだった会場は観衆を引き込み一瞬にして静寂に包まれ、演武終了後は割れんばかりの拍手が沸き起こった。


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田中司令による挨拶

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栗山氏による居合


 その後は、各部隊の紹介など和やかな時間が続いたが、某人気アニメのキャラクターに扮した隊員による余興が始まると、会場には笑い声や歓声が飛び交い、特に子供たちを中心に大好評だった。


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大人気キャラクターが駐屯地に!?

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クリスマスガールが現れた!


 また、年忘れ行事では初のeスポーツ大会が実施され、各部隊の代表選手が「大乱闘スマッシュブラザーズ」による熱い戦いを繰り広げた。


 決勝戦には北部方面対舟艇対戦車隊と101施設直接支援大隊の選手が勝ち残り、激しい攻防戦の末、北部方面対舟艇対戦車隊の選手が優勝し、高らかにガッツポーズを掲げた。


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決勝戦に勝利しガッツポーズ

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eスポーツで敗退し撤退する選手


 後半は豪華賞品が当たる抽選会や、一年を振り返るムービーの上映が行われ、隊友会倶知安支部長の油谷賢次氏による万歳三唱により、行事は締めくくられた。


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ドキドキの抽選会


<編集部より>

 

その昔、武士や僧侶たちは年末に集まり、詩を詠(よ)んだり、酒を酌(く)みかわしたりしたそうです。その年の苦労を乗り越え、新たな気持ちで新年を迎えるための大切な習慣だったのでしょうか。

1年の最後の月である12月は、何となくあわただしさが漂います。その一方で、今年を振り返る瞬間です。がんばった、ありがとう、お疲れさま、ごめんなさい、反省…悲喜こもごもの1年間を今一度見つめながら、締めくくる時でもあるのです。

「地域とともに歩む」は駐屯地の最も大きなスローガンの一つ。まず、自衛隊を知ってもらい、関心を持ってもらい、そして理解してもらう―。それぞれの地本や駐屯地では今年も、地域にしっかりと根を張るため、地域とのコミュニケーションづくりを続けてきたことだと思います。

感謝の気持ちとともに、倶知安駐屯地ではこのほど、「年忘れ行事」を実施しました。

防衛日報の本日(12月26日付)2面。手前味噌(みそ)ながら、今年最後の発行日となる紙面にふさわしい話題でもありました。見出しにはあえて、「今年もありがとうございました。お疲れ様!」を付けてみました。

町長をはじめ関係協力機関などの来賓のほか、隊員家族らも集まり、恒例の餅つきあり、人気アニメのキャラクターに扮(ふん)した隊員による余興あり、さらには、今や若者を中心に大人気の「eスポーツ」大会あり、豪華賞品が当たる抽選会、1年を振り返るムービーの上映まで、お腹いっぱい、楽しさ満点の内容を紹介しました。

毎年の行事です。各地で趣向を凝らしているとは思いますが、倶知安駐の今回の中身は結構、豊富、濃厚かもしれません。とくに、子供たちは大喜びだったことでしょう。皆さんの笑顔が隊員にとってもかけがえのない「財産」です。

いろいろ、資料を読んでみると「年忘れ」は現代の忘年会の原型ともいえ、本来は「歳忘れ(としわすれ)」という中国の「忘年」に由来しているようです。その中には、年齢の上下関係を忘れて親しく付き合うこと。つまり「無礼講」ということです。

思い出すことがあります。私事ながら旧社在籍中の部の忘年会といえば、日頃のうっぷんを晴らしたいためなのか、お酒の勢いも手伝って上司、先輩に苦言を呈したり、中には胸ぐらをつかんだり、突っかかったり、手を出したり…と、ご法度極まりない行動があちこちで散見されたものです(さすがに、今はないでしょうが)。まさに「昭和」。年に一度の年忘れ行事の中の出来事でしたが、いつも、何事もなく終わるのでした。

余談でした。もちろん、年齢差の節度は守らなければいけませんが、それを気にせず、親しく交流するという根っこの部分こそ、年忘れ行事の最大の目的ではないでしょうか。

近年はコロナ禍を経て、とくに餅つきを辞める動きも出ているという話を聞きます。やっぱり、寂しいですね。餅つきはその掛け声とともに、会場の雰囲気を大きく変え、隊員も参加者も一つになります。

年忘れ行事当然、必要です。できれば、餅つきも続けてほしいものです。