ひときわ際立つ気合の演舞披露
厚木基地の「ちどり連」は、初参加した昨年の演舞が好評だったため、「今年もぜひ、参加してほしい」とかわさき阿波踊り実行委員より熱い出演依頼を受けての参加となった。
川崎市役所前での初陣式では、神奈川地本長の激励を受けて奮い立ち、会場では参加団体の中でもひときわ際立った気合十分の演舞を披露していた。
演舞者代表から「皆さん、応援してください」との呼びかけに観客は拍手で応え、かわさき阿波踊りは冒頭から盛り上がりを見せた。演舞が進むにつれ、練り歩く踊り子たちと観客は一つになり、会場は熱気と興奮に包まれ、ボルテージは最高潮に達した。
川崎所の所員も「ちどり連」の法被(はっぴ)を着て参加し、連の後ろから厚木基地に所属する「P1哨戒機」の模型を乗せたリヤカーを引き、自衛隊の活動と自衛官募集のアピールを行った。
川崎所は「これからも地域イベントなどを通して住民に自衛隊を広く㏚し、防衛基盤の拡充に努めていきたい」としている。
<編集部より>
川崎の秋の風物詩で自衛隊が思いっきり、存在感をアピールしました。川崎駅周辺の銀座街やアゼリアなどを舞台に練り歩く「第39回かわさき阿波踊り」。防衛日報の本日(11月13日付)1面で掲載した神奈川地本川崎出張所の報告です。
昨年と同様、海上自衛隊厚木基地の「ちどり連」とともに同所員も参加しました。阿波踊りといえば、「本場」の徳島県にとどまらず、各地で実施される圧倒的に盛り上がるイベントの一つです。私事ながら、若い時はよく見に出かけ、会場が熱気と興奮に包まれていたことを鮮明に覚えています。
実は、昨年もこのコーナーでイベントを取り上げさせたいただいた経緯がありました。地本に問い合わせをした際、広報担当者が「地本の人間はちどり連の後ろで歩いていただけですから…」と恐縮するような返事がありましたが、どうして、どうして。今回も連の法被(はっぴ)を着て、厚木基地に所属する「P1哨戒機」の模型を乗せたリヤカーを引いての参加は、少なくとも観客の目を引いたことだと思います。
なぜなら、厚木基地自体、自衛隊なのですが、ダイナミックで力強い男踊り、優美でしなやかな女踊り、そして、迫力のある鳴り物などで有名なちどり連だけに、観客はどうしても踊りに目を向けてしまいます。一緒に盛り上がってしまうのが普通でしょう。
そこで、ちどり連が通り過ぎた後に登場したのは模型、リヤカーという一風変わった物。「あれ、何だろう?」「あー、自衛隊だ!」。踊りのプロ、愛好家グループではなく、れっきとした自衛隊員たちが踊っているんだよ。そんな気持ちにさせる効果はあったことでしょう。踊らなくても、厚木基地のPRにも大きく貢献したことだと思います。
イベントの公式HPによれば、ちどり連は昭和52年の創連以来、「神奈川大和阿波踊り」を始め、厚木基地周辺で行われるイベントに参加してしまいます。紙面で掲載した写真は雰囲気をよく表していました。「踊りの列のカットなら、これ」と思い、寄せられた写真の中で珠玉の1枚を使わせていただきました。
自衛隊は地域との交流、㏚などのため、全国各地でイベントに参加しています。自衛隊といえば、車両や装備などの行進が代表的で、「ザ・自衛隊」のイメージそのものといえますが、ほかにも音楽の演奏披露や太鼓演武などで活躍する部隊も多くあります。日々の訓練をこなしながら、隊員たちが束の間の時間を利用して練習し、地域とつながる活動に参加することは大変ですが、そこには、日々の業務で培った団結力、連帯力があればこそだと改めて思うばかりです。
他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。