<北海道>岩見沢駐(司令・山下1陸佐)は10月12、13の両日、「岩見沢駐屯地創立71周年および第12施設群創隊49周年記念行事」を挙行した。
音楽演奏、観閲行進、迫力ある訓練展示
12日には市内のホテルで前夜祭(祝賀会食)の場を設け、協賛団体代表のあいさつに始まり、数多くの来賓からの祝辞があり、駐屯地司令の謝辞の後、乾杯となった。
会食は和やかな雰囲気の中、岩見沢駐の歴史を紹介する写真がパネルで掲示された会場で、昔を懐かしみながら懇談を交え、部外協力団体関係者らと隊員の親睦、信頼関係を深めた。
13日には記念式典に先立ち、長年にわたり駐屯地に対して支援、協力をしてもらっている協力諸団体、個人などに駐屯地司令が感謝状を贈呈した。式典には、自衛隊協力会岩見沢隊区連合会会長で岩見沢市長の松野哲氏をはじめ、多数の来賓が臨席した。
今年度は、駐屯地営庭での観閲式や音楽演奏、観閲行進、迫力ある訓練展示を実施。敵の地雷原を処理する施設科隊員の行動や、装甲車の機動力に来場者も盛り上がりを見せていた。
また、そのほかのブースでは、装備品展示、戦車試乗、WAPC試乗、施設機械操作体験(バックホーシミュレーター)、売店(キッチンカーなど)、美術展などを実施し、来場者に楽しんでもらった。
当日は、約1700人の来場者で大盛況となり、「訓練展示がとても楽しかったです」「出店が充実していた」「施設機械(バックホーシミュレーター)の体験がおもしろかった」などのコメントがあった。
岩見沢駐は「これからも皆様に『信頼』される駐屯地を目指し、日々邁進まいしんしてまいります」としている。
防衛日報社に感謝状
10月12、13の両日、実施された「岩見沢駐創立71周年、12施設群創隊49周年記念行事」の中で、防衛日報社が同駐への支援などに貢献したとして、駐屯地司令の山下1陸佐から河合恵編集長に対し、感謝状が授与された。
防衛日報では、令和5年度末に廃編を控えた12施設群302坑道中隊の最後の訓練検閲を河合編集長が密着取材。有事の際の防御陣地となるトンネル(坑道)を掘削する際のコンクリートの吹き付けなど、普段は立ち合うことが難しい現場の作業の様子を多くの写真とともに詳細に紹介するなど、駐屯地の活動や隊員らを2ページの特集紙面で展開した(→防衛日報9月14日付PDF)。
その後も、同駐をめぐる活動と密接に連携し、定期的に紹介した。
岩見沢駐は「駐屯地の活動状況を全国に発信し、自衛隊に対する理解と信頼を深めたとともに、隊員の士気高揚に寄与した。感謝の意を表します」としている。
<編集部より>
「坑道中隊の最後の検閲に来ませんか」。昨年のある日、岩見沢駐屯地広報から、こんな話が編集長に届きました。そこで、社内で検討。「『坑道中隊』って意外と知られていないよね」「自衛隊と『トンネル』の組み合わせだからね」「でも、戦闘を支援する重要なポジションでもあるし」…。そんなやりとりから岩見沢駐に対する取材計画が始まりました。
当時、全国に3個しかなかった坑道中隊の一つが同駐302坑道中隊でした。後方支援、縁の下の力持ち…通常はそんな存在かもしれません。しかし、有事の際には車両や資器材の格納保管場所としての防御陣地として、身を守る場所として、また、作戦拠点としても欠かせません。
「地味だけど、なくてはならない存在に光を当てるのも広報紙としての務めだ」。そんな結論に至った経緯があり、廃編を前に編集長が最後の検閲、それもなかなか現場には立ち会わせてもらえない活動の一部を取材するため、北の大地に向かい、昨年9月14日付の駐屯地2ページ特集ができ上がり、その後の活動の取材にもつながっていきました。
→防衛日報9月14日付PDF
防衛日報の本日(10月30日付)2面トップでは、その岩見沢駐の創立71周年、所在部隊の中核となる12施設群の創隊49周年記念行事の様子を掲載しました。地元住民ら約1700人が記念式典や装備品展示のほか、さまざまなイベントを楽しみました。
中でも、施設機械操作体験(バックホーシミュレーター)は施設科部隊ならではです。「おもしろかった」とコメントする子供たちの笑顔があふれる写真も紹介しました。今回は、駐屯地の特別なイベントや隊員たちに焦点を当てるため、10月からスタートした特集「zoom 駐屯地」として、写真を5枚使用し、2日間にわたった記念行事を可能な限り紹介したいと思い、大きな記事としました。駐屯地の活動などを紹介した「美術展」にも多くの来場者が足を運び、見入っていたようです。
昨年9月の創立記念行事を前に、駐屯地司令兼12施設群長の山下1陸佐はインタビューの最後に「自衛隊の活動について理解していただきたいし、楽しんでもらいたい」と話していました。その言葉は今年も、しっかりと具現化されたことと思います。今年の駐屯地の最後のコメントにもあるように、「これからも信頼される駐屯地を目指す」は、地域の一員として地域に理解してもらうため、駐屯地にとってのは大きなスローガンでもある「地域とともに」を節目のこの日、決意を新たにした証しともいえるものです。
最後に、今回、弊社は「駐屯地の活動を全国に発信し、自衛隊に対する理解と信頼を深め、隊員の士気高揚に寄与した」として、駐屯地司令から思いがけず感謝状をいただきました。広報紙としてこの上ない喜びとなりました。
取材時の親切で丁寧な対応、掲載紙面はすぐに施設内に張り出していただき、そして今回の受賞。取材当初、「施設科に取材に来てくれるなんて…」と謙遜していた隊員の話を聞きましたが、そんなことはありません。さまざまな職種があっての自衛隊です。可能な限り伝えていくことは広報紙としての責務と、こちらも決意を新たにした次第です。
他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。