<香川>陸自14旅団(旅団長・大場陸将補)は9月28日、善通寺駐で、「令和6年度四国地区殉職隊員追悼式」を実施した。
 
14音楽隊が追悼演奏

 当日は、駐屯地第3営舎地区で、遺族、来賓の臨席、旅団隷下部隊長、駐屯地部隊長らが参列し、厳粛かつしめやかに行われた。

祭壇

 国の存立を担う崇高な職務に殉ぜられた51柱の御み霊に対し、拝礼や黙祷を捧げた後、執行者である大場旅団長から「われわれは、職務の遂行に全身全霊を捧げられた御霊の高い志を受け継ぎ、『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応えられる』よう、全力を尽くすことを堅くお誓いします」と追悼の辞を述べた。

追悼の辞を述べる大場旅団長

 献花の後、志半ばに殉職された隊員が安らかであることを願い、14音楽隊は「時代」を追悼演奏し、拝礼に続く儀仗隊による弔銃が厳かに鳴り響き、殉職隊員51柱の冥福を祈った。

献花

追悼演奏

拝礼


◆関連リンク
陸上自衛隊第14旅団
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/14b/

<編集部より>

 令和5年度に任務中の事故などで犠牲となった自衛隊員は全国で計26人(陸自20人、海自5人、空自1人)に上っています。前身の警察隊の発足以降では計2080人に達しました(防衛省調べ)。警察、消防とともに国民の命を守る自衛隊員は、自らの命の危険とも常に隣り合わせにあります。

 防衛日報の本日(10月23日付)2面では、陸自14旅団が実施した「令和6年度四国地区殉職隊員追悼式」を取り上げました。国の存立を担う崇高な職務に殉ぜられた51柱の御霊(みたま)の冥福を、遺族、関係者ら多くの来賓とともに祈りました。

 こうした追悼式の報告は各地から随時、届きます。御霊に拝礼する姿、黙禱(もくとう)を捧(ささ)げる姿、追悼演奏、そして儀仗(じょう)隊による弔銃の瞬間…などなど、寄せられる数々の写真を拝見するたび、厳かな空気が伝わってきます。そして、その場にいるかのように、背筋がぐっと伸びてしまいます。

 「危険業務」に従事する職業とはいえ、隊員も人間。家族もいます。改めて、こうした多くの犠牲の現実があってこそ平穏な毎日を送ることができるのだということを肝に銘じる日々です。

 昨年10月21日、防衛省で営まれた「自衛隊殉職隊員追悼式」に参列した岸田文雄首相(当時)は、「職務の遂行に全身全霊を捧げた殉職隊員はわが国の誇りだ。尊い犠牲を無にすることなく遺志を受け継ぐ」と述べ、同席した木原稔防衛大臣(同)は「任務完遂に務め、志半ばで職に殉じた事実を決して忘れない。立派に使命を果たし、国のために尽くした」と語っていました。

 今回、14旅団の大場旅団長は「『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応えられる』よう、全力を尽くすことを堅くお誓いします」と追悼の辞を述べました。

 「事に~」は入隊する際に自分の任務、職責について国民に誓う、隊員の「服務宣誓」の一部。将来の幹部候補生が学ぶ防衛大学校の卒業式直後の任官・宣誓式でも、同様に発せられる言葉です。一部には違憲論、憲法改正などをめぐる議論も生まれていますが、何よりも、これだけのことを誓う崇高な思いに国民の一人として首(こうべ)を垂(た)れるしかありません。

 命がけで国民を守る自衛隊のことを、訓練だけでなく日々のさまざまな場面を通して可能な限り多くの国民に、読者に伝えていくことが広報紙としての務めであることを、追悼式が実施されるたびに、そう決意しています。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報10月23日付PDF