<新潟>高田駐2普連重迫撃砲中隊(中隊長・林1陸尉)は9月25日から27日の間、関山演習場で実施した「令和6年度旅団重迫撃砲射撃競技会」に参加し、併せて第2次訓練検閲(実射検閲)を受閲した。旅団重迫撃砲競技会が行われるのは、令和5年3月に重迫撃砲中隊が新編されて初となった。
 
適材適所の人員配置に向けて、何度も人員入れ替え試みる

 重迫撃砲中隊は競技会、実射検閲に向けて編成を組む際、人員を何度も入れ替えて訓練を実施し、適材適所の人員を配置した。

 訓練で小隊は照準だけでなく、砲身温度の管理などの細かな点まで徹底し、射撃指揮班は、射撃の結果を加味した諸元を迅速正確に伝達できるように訓練を実施した。

迅速・正確に射撃諸元を算出する射撃指揮班

精度の高い射撃を行う分隊

 また、前進観測班は、弾着地の地形を熟知することで正確な修正ができるように繰り返し訓練を行った。

弾着の修正を行う前進観測班

 さらに中隊本部は、時間の管理や不測事態対処を実施し、あらゆる状況にも万全を期した。これらを踏まえ4度の実射訓練を実施し、小隊・前進観測班・射撃指揮班が密接に連携を図り、三者連携要領を確立した。

 当日は陣地進入・陣地変換などにおける速度・精度、三者連携による高い精度を追求して競技会に臨んだが、天候に恵まれずたびたび射撃が中断し、日をまたぐ競技会参加となった。

 重迫撃砲中隊は検閲で士気旺盛・団結を強固にし、日頃の練成の成果を遺憾なく発揮し、1件の事故もなく良好な成績で終了した。


◆関連リンク
陸上自衛隊 高田駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/1eb/5eg/

<編集部より>

 令和5年3月の重迫撃砲中隊新編後、初となった「旅団重迫撃砲射撃競技会」が陸上自衛隊高田駐屯地2普連で実施されました。防衛日報の本日(10月16日付)2面でその様子を紹介しています。

 重迫撃砲中隊は、120ミリ迫撃砲という武器を装備しており、主な任務は、後方の陣地から迫撃砲によって前線で戦っている人たちの支援を行う部隊です。いわゆるまず、真っ先に突撃する「先兵役」の立場ではないにせよ、迫撃砲を使用し、射撃も行う戦闘部隊です。

 そこで、最も重要なのは、攻撃ラインというものがあるとすれば、前線→中盤→後方―の中ですべての状況を把握すること。そのためには、何よりもそのラインの状況をしっかりと確認するための作戦が求められます。

 今回の高田駐の報告で強調されているのが、①砲身温度の管理などまで徹底する「小隊」②射撃の結果を加味した諸元を迅速、正確に伝達できるように訓練した「射撃指揮班」③弾着地の地形を熟知することで正確な修正ができるように訓練した「前進観測班」-の三者の連携要領でした。

 常々、自衛隊は内部に限らず、外部との合同訓練などの際でも強調している「連携」がいかに重要 であるかを意識した訓練を実施しています。それがうまくいかなければ、それぞれの組織や人間が持つ特性、特色を生かすことにはつながらないからで、連携による一つの大きな「塊(かたまり)」とはならなくなってしまうからです。

 中隊は今回の編成を組む際、人員を何度も入れ替えて訓練を実施するなど、「適材適所」の配置を考慮したり、中隊本部も時間の管理や不測事態の対処に万全を期すなど、「ONE TEAM」で臨んだ競技会でした。この日、同時に実施された第2次訓練検閲(実射検閲)を受閲し、こちらも日ごろの練成の成果を発揮しました。

それは、連携が図られたからこその証しともいえるものです。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報10月16日付PDF