<北海道>上富良野駐14施設群(群長・河端1陸佐)は7月3日から9月13日の間、同駐で被教育者15人に対し、「令和6年度新隊員特技課程および一般陸曹候補生課程後期『施設』教育」を実施した。
 
新隊員はそれぞれの部隊へ

 新編して8年目の14施設群が上富良野駐で同教育を行うのは初めてで、教育隊長に副群長の竹本2陸佐、区隊長に山根3陸尉(395施設中隊)、先任助教、班長、班付は14施設群のほか、12施設群、13施設群から支援を受け、WAC隊員には女性助教とサポートWACを配置して万全の体制で教育が行われた。

 教育は上富良野駐で施設基礎作業など(土工・木工・植工、連結)を行い、上富良野演習場で爆破(実爆訓練)、8月上旬には、南富良野町に宿泊し、かなやま湖で渡河訓練を行った。

連結

体力検定

爆破

爆破

漕舟競技会

 教育の終盤には、14施設群が推進しているICT技術についても研修を行った。とても暑い中の教育だったが新隊員は、明るく、元気に訓練に励み、約2カ月間の教育が修了した。

教育隊長へ隊旗返還

 区隊長の山根3尉は「この2カ月間で辛かったこともたくさんあったと思うが、楽しかったことを心にとどめておいてほしい。そしてこれから先、できないことがあったら、同期で助け合って乗り越えてほしい」と新隊員を激励し、それぞれの部隊へ送り出した。

各部隊へ出発する新隊員を見送る14施設群の隊員

 河端群長は「第14施設群が上富良野で新編して初めて本教育を担任し、苦労したと思うが、大きな成果を残し、第14施設群の新たな歴史を創ってくれた。次の任務へ向けて頑張っていこう」と称賛した。


◆関連リンク
陸上自衛隊 上富良野駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/station/na/kamihurano.htmlpco/hakodate/

<編集部より>

 今年春、国を守るという大志を抱いて入隊した若き精鋭たちは、前期、後期と続く教育課程を9月いっぱいで終え、普通科戦士の一人として、実戦に対応する中隊へと新たな道に進みました。

 「自衛官候補生」から「新隊員」となり、そして「隊員」へ-。防衛日報の本日(10月8日付)2面では、大詰めとなった教育課程や修了式の新隊員たちの表情や、教育課程に携わった指導部要員、先輩たちの思いなどを1ページで特集しました。

 その中で紹介したいのは、2カ月間の後期課程の修了を間近に控えた上富良野駐屯地14施設群の報告です。新編後8年目の14施設群が上富良野駐で教育を実施したのは初めてでした。教育は土木、木工、植工、連結のほか、かなやま湖で渡河訓練も実施したようです。後方支援を主任務とし、「縁の下の力持ち」として支える施設部隊ならではの教育内容でした。

 さらに、報告では2つのトピックスもありました。1つ目は女性自衛官(WAC隊員)の教育に対する布陣です。12施設群、13施設群から支援を受け、女性助教、サポートWACを配置し、「万全の体制」をとっていました。若い隊員、しかも、女性隊員の教育にはやはり同性の先輩隊員を充てることで、日々の教育期間の中で悩みも多い世代に対し、よりコミュニケーションが取りやすくする効果があったのではないかと思います。細やかな配慮を感じました。

 2つ目は、建設現場の生産性向上を目的に、国土交通省が進める情報通信技術を活用した「ICT技術」の研修も実施したことでしょうか。

 ICT技術は今、自衛隊でも積極的に採用されています。ドローンやレーザースキャンのような測量機材が進歩したことで、3Dの測量図ができるため、作業が早く、正確で少人数での対応など、まさに、情報通信という新たな時代に合った技術は、戦闘様相の変化に伴い、推進されているのです。

 新しいことに積極的な一方で、どちらかといえば古いことには少し敬遠しがちなのが若者世代。教育課程中にこうした時間を持てるのは、とても重要なことです。ここにも、あすの自衛隊を支えていく新隊員に対する14施設群の意図を感じます。

 ICT技術を少しでも早く習得することで、14施設群にとっては大きな「戦力」につながるわけです。熱き魂を胸に奮闘する新隊員たちです。まさに、「鉄は熱いうちに打て」なのだと思いました。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報10月8日付PDF