事業説明会・乗車体験会第2弾
今回は4月10日に目達原駐で実施した事業説明会・乗車体験会に続く第2弾。タクシー事業者「中央タクシー」、バス事業者「祐徳自動車」、トラック事業者「ロジコム」の各事業所を訪問し、各協会から業種説明、各社の概要・魅力などの説明を受けるとともに、施設や車両を使用した見学・説明、乗務員の業務の様子や自衛隊OBを含む社員との質疑応答などを行った。
また、4月の事業説明会・乗車体験会では、参加した隊員・企業双方から「試乗体験がしたい」「運転を体験してほしかった」などの声も多く、運輸業への理解促進や運転に対する不安解消のため、職場見学会に先立って佐賀市内の「ふじ自動車学校」で、自動車学校指導員からの助言の下、教習用大型トラック、バスを使用した運転体験を行った。
参加者は運転体験を楽しんで、「大型バスの運転を行って、バスの特性などの(普段、運転する車両との)違いを把握することができて、運輸業界にも魅力を感じた」との感想も聞かれた。
佐賀地本は「佐賀県で再就職を希望される退職予定隊員に県内企業の魅力を伝えることができるよう、今後もさまざまな事業を計画していく」としている。
<編集部より>
運送業の倒産は過去10年で最多といわれます。今、真っただ中にある、いわゆる「2024年問題」です。その主な理由は「燃料高」と「人手不足」ですが、中でもドライバーの不足は25年に加速する可能性があることが専門家らの間で指摘されています。若年層人口が減少し、時間外労働の上限規制の2つが大きな要因です。
バスやタクシー、トラック業界にとって今、すぐにでもほしいのがドライバーです。それぞれの企業は、あの手この手の作戦でドライバーの獲得に必死ですが、個人的にはこうした社会現象にこそ、自衛隊OBが極めてマッチしているように思います。
防衛日報の本日(9月18日付)1面トップでは、佐賀県内の3業種の企業、関連の協会が目達原(めたばる)駐屯地や近隣駐屯地の退職予定隊員を対象に実施した職場見学会や運転体験会を支援した様子を掲載しました。佐賀地本の報告です。
これまで戦車などの装備品を中心に扱ってきた隊員にとっては、慣れない体験だったことでしょう。それでも「大型バスを運転し、バスの特性の違いを把握できた」などのコメントにもあるように、結局は「慣れ」に行き着くような気がします。
何せ、運転技術には「一日の長」があります。訓練自体当たり前の日課である隊員ですから、環境や操作の違いさえ順応・習得すれば、自衛隊での経験は問題なく発揮できるというものです。
自衛隊OBがマッチしていると書いたのには、理由があります。防衛日報では、今回の佐賀地本のように全国の地本からも若年制、任期制退職隊員向けに実施した企業説明会などの報告が寄せられ、参加した企業が口をそろえて発するのが「礼儀正しさ、規律、真面目」…など、自衛隊生活で培った人間形成面での印象の良さなのです。
採用担当者も人間です。第1印象はとても重要な要素ですが、何よりも「元自衛官」に対するある程度の認識の堅さが背景にあることは言うまでもなないことでしょう。あとは、技術面のほか、今度はお客様とのコミュニケーション力がつけば「鬼に金棒」。ここにもまた、自衛隊で鍛えられた要素が生かされるものだと思います。
国のため、国民のため、そして、これらがつくる「社会」のため、自然災害への対処のため、多くの貢献をしてきた隊員たちです。今、叫ばれる社会問題に自衛隊が新たな「大きな貢献」をしてくれる。素晴らしいことだと思います。
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