前任の酒井氏(左)と握手を交わす海幕長

 海上自衛隊トップの海上幕僚長に齋藤聡(あきら)海将(57)が7月19日付で着任した。前任の酒井良氏(61)は特定秘密の不適切運用など一連の不祥事の責任を取って辞任。組織の立て直しに向けて、齋藤氏の手腕が問われる。

 19日午前、海自の幹部らが見守る中、着任式が防衛省儀仗(じょう)広場で行われた。儀仗隊が栄誉礼で齋藤氏を出迎え、同氏が儀仗隊を巡閲した。

儀仗隊を巡閲する齋藤海幕長

 その後、新旧海幕長の2人が事務引き継ぎを行った。この中で、酒井氏は「安全保障環境など厳しい状況下にあるが、隊を刷新するのにふさわしい人材。今後の海上自衛隊をよろしくお願いする」と齋藤氏にエールを送った。

 これを受けて齋藤氏は、「精強な海上自衛隊を目指して取り組んでいく。厳しい安全保障環境を考えると立ち止まることはできない。目を前に向けていきたい。一方で今回のさまざまな不正などにはしっかりと対応していきたい」と組織の刷新に向けて注力していく考えを述べた。

 斎藤氏は長崎県出身。平成元年に防衛大学校卒業後、海自に入隊。14護衛隊司令、海幕防衛部長、海上幕僚副長、自衛艦隊司令官などを歴任した。