東京・伊豆諸島沖で4月20日、海上自衛隊の「SH60K」哨戒ヘリコプター2機が空中で衝突して墜落した事故で、木原稔防衛大臣は6月11日の閣議後会見で、行方不明者7人について死亡したと判断し、「葬送式」を執り行うことを明らかにした。

 2機に搭乗していた8人のうち、副操縦士の西畑友貴2海尉が死亡し、海自は行方が分からない残る7人の捜索を続けてきたが、生存の可能性は低いとして死亡と判断したという。

 海上幕僚監部によると、葬送式は、ヘリ2機のうち16号機が所属していた大村航空基地(長崎県)で6月22日、43号機が所属していた小松島航空基地(徳島県)で6月30日にそれぞれ執り行われる。執行者は22航空群司令の鈴木海将補が務める。

 海幕によると、事故は4月20日午後10時38分ごろ、夜間訓練中だった2機が空中で衝突した。その後、海自護衛艦「すずなみ」が搭乗員1人を収容したが、死亡が確認され、西畑2尉であることが判明した。

 海幕では、航空事故調査委員会を設置し、事故調査を開始するとともに、護衛艦や航空機、海上保安庁などが現場海域で行方不明者7人の捜索を続けた。

 5月2日、海幕はフライトレコーダーの1次解析の結果、機体自体の安全性に問題はなく、2機の墜落の原因は衝突によるものと判明したと発表。機体同士の衝突の恐れのない単機での訓練飛行については、同3日から、見合わせを解除した。

 木原氏は会見で、「このような状況に至り、誠に残念だ。大切な肉親を亡くされたご家族のことを思うと、断腸の思いであり、慎んでご冥福をお祈りする。原因究明と再発防止に万全を期すとともに、国民の負託に応えるべく、一致団結して引き続き国防の任務遂行に励むよう、防衛大臣としてみずから先頭に立ち、全力で取り組んでいく」と述べた。

ヘリ2機の搭乗員8人の氏名は次の通り。

【16号機(大村航空基地)】
 機長・松田拓也3海佐
 副操縦士・西畑友貴2海尉
 航空士・福留崇文3海曹
 航空士・甲斐仁蔵海士長

【43号機(小松島航空基地)】
 機長・板村一輝3海佐
 副操縦士・山下夏輝2海尉
 航空士・廣田真海曹長
 航空士・堂園優作2海曹