木原稔防衛大臣は9月26日の定例会見で、米宇宙軍トップのサルツマン作戦部長との会談に触れ、「日米間の協力を加速させていくことを確認した」と述べ上で、日本国内に司令部を置く在日米宇宙軍の創設については「具体的に決まっているものではない」と明言を避けた。

 木原氏は日本の宇宙領域の防衛力について、「防衛力を発揮するための基盤である。国民生活にとっても死活的に重要である」との認識を示した。さらに「ロシアのウクライナ侵略を見ても、わが国としては宇宙領域を活用した情報収集、そして通信、測量などの機能向上を図り、領域横断作戦能力を強化するなど、宇宙領域における優位性を確保することが極めて重要だ」と語り、宇宙領域の防衛力強化を進めていく考えを示した。

 サルツマン氏との会談で在日宇宙軍の駐在に関する話題はなかったとしながらも「日米共同による宇宙・サイバー電磁波を含む領域横断作戦を円滑に実施するための協力を深化させることは重要だ。引き続き、米側と議論を重ねていきたい」と説明した。

 木原氏は25日、防衛省内でサルツマン氏と会談し、宇宙領域での防衛協力について日米でさらに連携を深めていくことを確認した。