計画上回る35社・54人参加
援護担当者15人が「ニーズ」つなぐ

 札幌地本(本部長・佐藤1陸佐)は5月18日、北海道経済センターで札幌商工会議所主催の退職自衛官の採用を検討している企業を対象とした「就職担当自衛官との個別相談会」に参加・協力した。参加企業は当初の計画を上回る35社(54人)に上り、退職自衛官の人材としての人気と評価の高さがうかがえた。

札幌商工会議所 産業部 佐藤様 挨拶

 相談会は、昨年12月に初めて開催された退職自衛官採用セミナーで、特に需要の多かった「個別相談会」に限定。退職自衛官(若年定年制・自衛隊新卒)の認知度向上と各企業の人材確保につなげようと札幌商工会議所産業部からの依頼によるもので、昨年に続き2回目の開催。

 札幌地域援護センター長(松浦3陸佐)以下15人の隊員が6ブースに分かれ、「2023人材ガイド(退職自衛官の雇用ガイド)」を基に、ていねいに退職自衛官の採用などについて説明した。中には、1時間以上にわたり、熱心に相談する企業もあった。

 また、募集課募集計画係長(川村陸曹長)以下2人の隊員は、予備自衛官補の採用、制度などの概要説明を実施し、予備自衛官課総括班長(斧1陸尉)以下3人の隊員は、予備自、即応予備自衛官の制度・概要を説明するなど、札幌地本部員30人が一丸となって真摯(しんし)に対応した。

 参加企業からは、「『自衛隊新卒』の存在を初めて知った」「求人手続きの方法について理解できた」「退職自衛官の採用を積極的に検討する」など、前向きな声が多数あったほか、「インターンシップ(職業体験)に協力したい」との要望もあり、札幌地本としても大きな成果が得られた。

 札幌地本は「相談会を機にさらなる企業開拓を推進し、各企業のニーズと隊員のニーズをしっかりマッチングさせ、就職援護基盤のさらなる充実を図る」としている。


◆関連リンク
自衛隊札幌地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/sapporo/


 隊員の再就職活動を積極的に実施している札幌地本からいい報告が寄せられました。本日1面トップで大きく紹介したのは、退職自衛官の採用を検討する企業と札幌地本の援護担当者15人との個別相談会です。

 全国から届く援護の報告が退職自衛官本人に対する説明会、というパターンが多いのは当然ですが、今回は少し違います。担当者同士の集まりというところに、興味を注がれた次第です。大学生で置き換えるなら、就職部(課)員と企業の人事担当者が会うようなもの。地本の援護担当者にとっては、企業の実情や「欲しがる人材像」などをしっかりと把握できるという意味で、重要な場です。自衛隊では、定年ではなく任期制で若いうちに退職するケースもあります。その退職という名前のイメージから「自衛隊新卒」とする流れになっており、今回の相談会でも企業側が「初めて知った」というコメントもありました。これも、相談会に参加したからこそのことかもしれません。

 定年でも任期制でも、自衛隊経験者が企業の評価が高いのは、相談会に35社も足を運んだことでも証明しています。規律性、協調性、気概、志、そして人間性。そんな「元自衛官」が次の職場で期待に応える活躍をしてもらうことこそ、地本にとっての大きなやりがいの一つです。デジタル版「防衛日報デジタル」で発信中の援護コラムでも、退職する隊員向けにさまざまなアドバイス、サポートを行っています。こちらもどうぞ、ご覧ください。

「援護」コラム発信中!|防衛日報デジタル

 防衛日報社が運営するデジタル版「防衛日報デジタル」では、自衛隊退職後の「援護」業務に着目したコラム「援護を援護する」を随時、掲載中です。筆者は人材コンサルタントを行う求人の代表取締役で、前職のリクルートでは長年、人事採用に携わってきた石塚毅氏です。

 自衛官の大半が若年定年制で50歳代半ば、任期制自衛官の多くは20~30歳代半ばで退職します。この期間の経験や技術が一般企業からも注目を集めています。

 コラムでは、石塚氏が退職に向けた心構えや考えるべきこと、自分が持つ可能性など、豊富な経験に基づいたさまざまなアドバイスをしてくれます。「人事のプロ」ならではのコラムをどうぞご覧ください。

→コラム「援護を援護する」

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→防衛日報6月21日付PDF