岩手駐東北方面特科連隊(連隊長・川間1陸佐)は5月14日、宮城県王城寺原演習場で令和5年度「野外炊事競技会」を実施した。
 
栄養士2人も部外審査員に 個性ある料理を厳正審査

 競技会は、野外炊事能力向上を図り、あらゆる任務に対応できるよう、管理要員の練度向上を図るのが目的。今回は、隊務の総合一体化・効率化の一環として、春季王城寺原演習場統一整備の野外炊事の場を活用して行われた。岩手駐東北方面特科連隊(連隊長・川間1陸佐)は5月14日、宮城県王城寺原演習場で令和5年度「野外炊事競技会」を実施した。競技会は、野外炊事能力向上を図り、あらゆる任務に対応できるよう、管理要員の練度向上を図るのが目的。今回は、隊務の総合一体化・効率化の一環として、春季王城寺原演習場統一整備の野外炊事の場を活用して行われた。

 今年度のテーマは、「チキンカレーライス」で、各部隊の代表者たちは工夫を凝らして料理の腕を競った。

 統裁官は所見で、「競技会実施にあたり、『プライドを持て』『安全管理・衛生管理』の2点を要望したが、各部隊とも競技会の趣旨を理解して各部隊の看板を背負い、競技会参加者はプライドを持ち、炊事班一丸となり、競技に臨んでいる。調理および食材管理を含め1件の事故がなかったことは各人が安全管理・衛生管理に留意し、統裁官要望事項を具現したものと認める」と述べた。

衛生管理を確認する最先任上級曹長

ご飯の最高の炊き具合は臭いで判断

 今年度は、部外より栄養士の資格を保有している、古舘さんと宮島さんを審査員として招き、厳正に審査をしてもらった。

栄養士の古舘さんと宮島さんが審査中

 結果は、各部隊の個性あふれる料理の作業工程、盛り付け、味で採点され、総合的に評価の高かった1大隊が優勝を飾った。

統裁官よりしゃもじ(優勝)看板授与

 東北方面特科連隊は「引き続きあらゆる機会を活用し、炊事能力の向上を図るとともに、安全かつ質の高い食事の提供に努めていく」としている。


◆関連リンク
陸上自衛隊 岩手駐屯地
https://sec.mod.go.jp/gsdf/neae/neafar/

<編集部より>

 有事の際、また、過酷な訓練が続く中で「食事」は自衛隊にとってとてつもなく重要な要素です。「腹が減っては、戦(いくさ)ができない…」などという言葉があります。もちろん、戦をするわけではありませんが、ある種、選挙を常に抱えながら活動する議員と同様、「常在戦場」であることには変わりありません。だからこそ、「食事=炊事」は大きな訓練となっているわけで、競技会は技術の向上などを図る絶好の機会となります。

 2面で紹介する岩手駐屯地東北方面特科連隊の「野外炊事競技会」のテーマは、チキンカレーでした。作業工程や盛り付け、味に至るまでその審査は外部の栄養士さんも入り、かなり厳しいものでしょう。「個性的」という部分も加味されます。競技会実施にあたり、統裁官の「プライドを持て」という要望も、「これもまた訓練である」という自衛隊らしさが如実に表れている言葉です。ゆっくりとカレーをかき回す真剣な表情の隊員の写真がすべてを表しているように思え、新聞ではメインで取り上げました。デジタル版でもご確認いただければと思います。

 2面ほかでは、企業などの新規採用職員に実施した「隊内生活体験」も紹介しています。新聞では小さい記事ですが、部隊ではよく行われる行事。自衛隊を肌で感じてもらうことで、理解への一つのきっかけになれば、と思い、この種の報告はできるだけ掲載するようにしています。

その他の防衛日報の記事はPDFにてご覧ください。

→防衛日報5月31日付PDF