緊張とワクワク「実際に見て学習することは貴重」

 帯広地本(本部長・内山1陸佐)は5月12日、白樺学園高校(帯広市)の生徒や教諭に対し、帯広駐の駐屯地見学を実施した。同校の学校行事「遠足」の行き先に帯広駐が選定されたもので、2年生131人と教諭ら10人が参加した。同校が帯広駐の「遠足」を兼ねて見学を実施するのは初めての試み。

概要説明する広報官

 生徒たちは駐屯地内で帯広駐の支援を受け、軽装甲機動車(LAV)、99式自走155ミリりゅう弾砲(99HSP)、対戦車ヘリコプター(AH1S)、オートバイ(警務用)などの装備品展示や、整備工場、駐屯地資料館などの自衛隊施設を見学した。

遠足「見学」スタート!

白バイに興味津々!

 また、お昼の時間には、駐屯地隊員食堂で普段、隊員が食べている昼食を体験喫食した。

 普段立ち入ることができない場所とあって、生徒たちは各施設の規模の大きさや装備品のエンジン音の大きさなどに驚きを隠せず、緊張とわくわくの様子だった。

 参加した生徒からは、「隊員の生活に理解を深めることができた」「すごく楽しかった。また来たいです」などの声が寄せられた。

 また、この日の昼食メニューは金曜日のカレーライスだったこともあり、中には大盛りにする生徒やおかわりをする生徒も。スタミナ万全で午後からの残りの遠足に備えていた。

カレーを大盛りにする生徒

 同校の宮下真和学年主任は、「自衛隊の内部を実際に見て学習することは貴重なこと」として駐屯地を選定したといい、帯広地本としても自衛隊に対する興味を深められた時間となった。

各クラスごと記念撮影

 帯広地本は「今後も各学校との連携を強化してさまざまなイベントを企画するとともに、自衛隊に対する深化を図り、志願者獲得に向けて邁進まいしんしていく」としている。


◆関連リンク
自衛隊 帯広地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/obihiro/


<編集部より>

 「遠足」といえばその名の通り、そこそこ遠くまで歩いて行き、観光施設や名所旧跡などを見て回る。そんなイメージでしょうか。見る、というよりはどちらかといえば、おしゃべりしながら、施設などにはあまり関心がなく、教諭らに付いて歩く…。そんな程度でした(皆がそうだとは決して言えませんが)。

 肝心なのは、そこに「社会科見学」という要素があること。本日1面トップで紹介した帯広地本実施の「駐屯地見学」は、ひと昔前なら「戦争」を感じさせるなどと、どちらかといえば敬遠されがちだったように思ったので、「へぇー!」という思いで地本の報告に飛びつきました。自衛隊が社会科見学のコースに組み込まれるのは実に素晴らしいこと。変わったのは、学校側、教諭側の意識が背景にある気がします。学年主任の「実際に見て学習することは貴重」の言葉がすべてを物語っています。自衛隊の存在が注目されている今、「社会科」の‶一員〟として認知されている証し。まさに「百聞は一見に如かず」です。生徒たちがどんな思いで見たのか。この中から自衛隊を目指す人が現れたら、最高ではないでしょうか。

 1面ほかには、中学3年生の職場体験で講話を行った鹿児島地本国分地域事務所や愛知地本豊田地域事務所が専門学校で実施した自衛隊制度説明会の様子なども掲載しています。

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→防衛日報5月29日付PDF