ドローンを活用した障害処理指揮所内2階部分の構築など
基礎事項を教育、初級幹部の能力向上

 <北海道>岩見沢駐12施設群(群長・山下1陸佐)は4月19、20の両日、令和5年度「方面施設技術集合訓練」の施設科部隊を担任実施した。訓練は、方面施設科部隊の基幹要員に対し、陣地構築、障害処理に関する基礎的事項の教育と初級幹部の能力向上を図るのが目的で、師・旅団と団隷下の施設科隊員63人が参加した。

導入教育の様子

 19日の前段は12施設群3科長(陶山3陸佐)が南恵庭駐体育館で導入教育を実施した。特に3施設団が力を入れているICT(情報通信技術)施行について、動画を交えて被教育者に対し分かりやすく説明した後、屋外へ移動して精密測量器材(ローバー)・ドローンのサーマルモード(熱感知)、マシンガイダンス(iDig)の展示説明を実施した。

精密測量器材の説明

ドローンのサーマル画像確認 

第398施設中隊の隊員によるマシンガイダンスの説明

 後段には北大演で399施設中隊(中隊長・髙橋1陸尉)が「ドローンを活用した障害処理の指揮手順」の教育を担任。群偵察班と連携してドローンにより敵情、障害を偵察し、火力要求による安全化を図った後に施設分隊による障害処理を実施するまでの一連の行動を展示・説明した。

第399施設中隊長による全般説明

施設分隊による障害処理

 20日には同じく北大演で398施設中隊(中隊長・神谷1陸尉)が「4.5型指揮所用簡易掩蓋(えんがい)掩壕(えんごう)(LP)の構築」の教育を担任し、指揮所内の2階部分の構築と枕材設置について2個組に分かれ、実習を主体とした教育を実施した。

4.5LP枕材設置実習

4.5LP2階部分構築実習

 12施設群は「日本最大の施設科部隊第3施設団の基準杭として、これからも技術の練磨と研究心をもって訓練に邁進(まいしん)していく」としている。

<編集部より> 

 自衛隊にはさまざまな職種があります。全国の地本や部隊から連日、寄せられる多くの活動の報告を読んでいると、実感します。

 写真から激しさが伝わる「射撃訓練」などと違い、施設部隊による「施設技術」の集合訓練は隊員が実際に活動する‶舞台〟を整備する訓練です。少しでも活動に支障がなく、動きやすく、無駄のない形を提供する-。どちらかといえば地味な部分かもしれませんが、まさに「縁の下の力持ち」的な存在なのではないでしょうか。

 2面のトップで紹介した岩見沢駐屯地12施設群の「方面施設技術集合訓練」はそんな思いを込めて大きく扱いました。陣地を構築し、枕材を設置し、障害処理も…。とくに今回は今や欠かせないドローンを使った障害処理など、写真でもその様子がよく分かります。自衛隊は多くの隊員の多くの技術があって成り立っている。「施設部隊」にはこれからも注目していきたいと思います。

続きはPDFにて防衛日報をご覧ください。

→防衛日報5月10日付PDF