出身外の自衛隊、紹介に苦労も・・・
実船を体験、募集強化に自信

 長崎地本(本部長・伊東1海佐)は4月12日、長崎地本の広報官ら15人により、三菱重工業長崎造船所で建造中の新型護衛艦「やはぎ」の乗艦研修を行った。

 地本広報官は陸上自衛官が多くを占めており、陸海空自衛官の募集を行っている。知識や経験の関係から、陸自の中でも他職種を紹介することについて難しいと感じていることも。他自衛隊の紹介となるとより難しく、広報官たちの苦労の一つとなっている。

 そこで、長崎地本は、募集強化に必要な知識などの向上を目的として、長崎防衛支局、三菱重工業の支援を受け、新型護衛艦「やはぎ」の海上公試機会を利用した乗艦研修を行った。

 「やはぎ」は、「もがみ」型護衛艦の5番艦として現在建造中で、今年末に就役予定。海上公試は、建造された艦船を海上で実際に運航して機能・性能が発揮できることを確認するために、防衛省へ引き渡される前に建造所が実施する試験。

 ここでは、三菱重工業の社員が運航を行うものの、実際の海上自衛隊での運航に則した操作が行われることから、艦艇勤務の仕事状況を見るに等しいといえるほか、長崎防衛支局に所属する海上自衛官が検査官として各種検査を実施しており、海自業務の一端を実際に垣間見ることができる機会となった。

 同研修の参加者からは、洋上を航行する護衛艦に乗ることが初めての者もいたため、体感する護衛艦のスピードに「自動車で感じるものと全く違うスピード感」との驚きの声や、食事や居住区での生活などを通して「陸上生活との違いを体感できたことは大きな成果」との感想も得られた。

 また、CIC(Combat Information Center)の研修では、近未来的な空間に一同は「SFの世界を見ているよう」と一種の感動を覚えたほか、「この異次元のような空間をどのようにしたら募集対象者に伝えられるか」と真剣に考える場面も見られた。

 1日間という短い時間だったが、長崎防衛支局、三菱重工業からの懇切丁寧な紹介があったこともあり、退艦時には「艦内生活や検査官業務の説明について、説得力をもって実施できる」と各広報官たちは自信を付けていた。また、今回の研修成果をいかに海上自衛官の募集強化につなげるかという意識を高めたほか、「次は航空自衛隊の理解を深めるぞ」と強く意気込んでいた。

 長崎地本は「自衛官募集がますます厳しくなっている中、募集対象者の視点に立った丁寧な募集広報ができるよう、自らの経験領域を広げながら今後も募集強化に邁進(まいしん)していく」としている。


◆関連リンク
自衛隊 長崎地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/nagasaki/index2.html


<編集部より>

 本日の1面、2面は第40回「危険業務従事者叙勲」の受章者950人の名簿を掲載しているため、通常とは少し違った紙面となっています。

 その中では、長崎地本の「海上公試」に広報官が実船を体験した話題に注目し、1面で大きく展開しました。広報官といえば、自衛官の全体数に比例して陸上自衛隊の出身者が多いですが、入隊希望者や自衛隊に関心を持つ若者たちの興味はさまざま。海上、航空自衛隊のこともある程度知っておかないと、広報活動では困ることもあります。建造中の新型護衛艦の機能や性能などを事前に「チェック」する機会に合わせて乗船を体験し、海自を理解する-。3自すべてに詳しいわけじゃない。広報官とて「万能」ではないですからね。意外と知られていないからこそ、取り上げてみました。

 もう1本は埼玉県日高市の有名な「巾着田」の春まつりに地本が参加したお話です。ここで広報官に劣らず活躍したのは、やはりマスコットキャラクター。紙面では紹介できませんでしたが、笑顔あふれるチビッ子たちの表情が届いていました。こちらは防衛日報デジタルでどうぞ。

続きはPDFにて防衛日報をご覧ください。

→防衛日報5月9日付PDF