NEXCO西日本と連携し、道路に生じた段差の解消を演練した
「大規模地震と津波が発生 四国全域に被害拡大‥」
LO派遣、情報収集、災派部隊出動など
【2023年3月10日(金)2面】 <香川>陸自14旅団(旅団長・遠藤陸将補)は2月、旅団の災害対処能力向上を目的として、令和4年度「旅団災害対処演習」を実施した。演習は、南海トラフ地震が発生し、土佐湾沖を震源とする大規模地震と津波被害により、四国全域に被害が拡大したとの想定で開始した。
14旅団の全隊員は、未明の非常呼集により緊急登庁。災害派遣準備を整え、四国4県へのLO(連絡幹部)の派遣、初動派遣部隊(ファスト・フォース)による情報収集、災害派遣部隊の出動などを演練した。
近年、コロナ禍により規模を縮小していたため、3年ぶりとなった自治体・関係機関などとの実動による共同訓練は、地震・津波による道路被害を受け、県庁などへの連絡幹部のヘリによる輸送、高速道の緊急開口部を利用した進出入訓練のほか、物資の輸送訓練、民間通信回線を利用した通信ネットワークの構成を演練した。
特に、実際の津波避難タワーを活用したホイスト訓練は、14飛行隊としても初めての試みであり、多大な成果を収めることができた。
演習終了後には、約70の部外関係機関が参加し、災害対処に関する意見交換を行い、今後の取り組むべき課題などを議論し、さらなる連携の強化を図った。
14旅団は「演習における教訓事項をもとに、南海トラフ地震対処の実効性をさらに向上させていく」としている。