2師団、4特科群と連携強化し実効性を向上

 【2023年3月9日(木)2面】 <北海道>上富良野駐14施設群(群長・河端1陸佐)は2月21、22の両日、美瑛町で十勝岳火山防災協議会が計画する令和4年度「十勝岳噴火総合防災訓練」に参加した。訓練は、関係部外機関、陸自2師団、4特科群との連携能力を向上させるとともに、各種訓練を実施して十勝岳火山が噴火した際の初動対処力、災害対処計画の実効性向上を図るのが目的。

 初日の早朝の気温は氷点下23度。平成元年の噴火から30年以上が経過し、今もなお噴煙が上がる日本百名山の十勝岳は、冬は雲に覆われている日が多いが、訓練初日はその雄大な姿を現した。

 参加者は、緊張感を持って訓練に臨み、美瑛町にある大雪消防組合消防本部災害対策室に群指揮所を開設。その後、小規模な噴火の状況が付与された。

 2日目の訓練では、中規模噴火により噴火警戒レベルが引き上げられ、状況の把握、自治体のニーズの確認が行われた。今回は、3年ぶりに町民が参加する実動訓練が行われ、消防と連携して車両による住民、児童らの避難支援、炊事車による米の炊飯、噴火地点に近い白金地区で大型雪上車による避難輸送を実施した。

3年ぶり町民参加 バケットローダで道を開く

 また、今回初めてバケットローダにより、融雪による泥流を除去して道路を啓開して、民家に取り残された住民の救出などを実施し、全ての任務を完遂した。

 14施設群は「今回の訓練で関係機関との連携を強化するとともに、災害対処能力の向上を図ることができた。今後も群長要望事項である『着実な前進』『考動』を実践し、あらゆる事態に即応して任務に邁進(まいしん)していく」としている。

今も噴煙が上がる十勝岳

さまざまな関係機関の職員らが対策会議に参加した

初めて投入されたバケットローダが、道路を啓開していく

住民救出の要領を演練する訓練参加者たち