部隊機動では、連携してアキオを曳行(1普通科中隊)

完全優勝で2年前の雪辱
銃剣道、拳法に続く快挙、改編初年度に成果|名寄駐屯地

 【2023年2月21日(火)2面】 <北海道>名寄駐3即応機動連隊(連隊長・山﨑1陸佐)スキー訓練隊(隊長・川東2陸尉)は1月26日から2日間、上富良野演習場で行われた令和4年度「師団冬季戦技競技会」に参加し、総合の部Aグループで優勝を果たした。

 連隊は、2年前の競技会で準優勝に終わった雪辱を果たすため、日米共同訓練終了後の昨年10月から錬成を重ねて競技会に臨んだ。駐屯地での壮行会では、名寄地方自衛隊協力会会長の加藤剛士氏(名寄市長)のほか、協力諸団体による激励に続き、連隊長が「われわれはどんな時も2師団の先頭である。先頭で帰って来い」と隊員を鼓舞した。

 競技会は、部隊機動(2個小隊)と個人機動で行われた。

 【部隊機動】
 1普通科中隊(小隊長・弓陸曹長)と2普通科中隊(小隊長・千葉幹部候補生)が選出され、約40キロのアキオ(そり)を曳行し、途中、実弾射撃を実施する全長約6.3キロの起伏のあるコースを疾走した。

 競技会当日、協力会の加藤会長をはじめとする協力諸団体の人たちが早朝から応援に駆け付け、氷点下10度の寒さを吹き飛ばす熱い声援を送る中、選手たちは、その思いに応えるため、スタートから全力で疾走。日頃から重視して取り組んでいる射撃では数多く命中させた。

 特に1普通科中隊小隊長を務めた弓曹長は53歳と訓練隊で最年長で、小隊長として持ち前のチームワークを存分に発揮して見事全チームのトップタイムでゴールした。

 【個人機動】
 幹部の部で佐藤幹部候補生(4中隊準備隊)、3曹では内田3陸曹(4中隊準備隊)、陸士では高橋陸士長(火力支援中隊)、そして新配置隊員では米谷1陸士(4中隊準備隊)が師団ナンバー1の座に輝き、個人機動の部でも連隊は勝利し、完全優勝を成し遂げた。

 1月28日、優勝旗と顕彰板を手にした選手たちは駐屯地に凱旋(がいせん)し、連隊の仲間が盛大に出迎えた。

 続く2月1日には名寄市内で祝勝会が実施され、協力諸団体、OBに出席してもらい、優勝旗、顕彰板を披露するとともに、広報班が作成編集したVTRを上映。4年ぶりの優勝の喜びを地域の人たちと一緒に共有するとともに、多大なる支援、声援に感謝した。

 3即機連は「銃剣道訓練隊が全日本青年銃剣道大会青年第2部『優勝』、拳法訓練隊が全道団体選手権大会『優勝』、そして今回の師団冬季戦技競技会『優勝』と、即応機動連隊改編初年度で大きな成果を収めることができた。日本の最北端に位置する部隊として、陸自トップの冬季戦技能力の保持に努めるとともに、全国に展開する即応機動連隊の任務を果たすため、改編2年目も地域の皆様の期待に応えるため邁進(まいしん)していく」としている。

勢いよくスタートを切る部隊機動Aグループの各部隊

部隊機動での射撃も好成績の鍵を握る

名寄自衛隊協力諸団体も応援に駆けつけた

統裁官の冨樫師団長が視察。隊員を激励した

個人機動で師団1位(3曹)の成績を収めた内田3曹

閉会式で優秀旗が授与された

優勝を勝ち取った1中隊。仲間とともに喜びを分かち合った

無事に帰隊し、出迎えを受けるスキー訓練隊

統裁官「一致団結が一番の成果」
47普連は後方競技会と武装走競技会|中部方面混成団

側溝を越えた患者搬送の要領を演練

 【2023年2月21日(火)2面】 <広島>中部方面混成団隷下の47普連(連隊長・松本1陸佐)は1月28日から30日の間、原村演習場で令和4年度「戦技競技会」を実施した。

 競技会は、帰属意識の高揚、戦技能力の向上、団結の強化を図るのが目的で、中隊対抗方式により同29日に後方競技会、同28日と30日に武装走競技会を実施した。

 競技会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2年ぶりの開催。各隊員はおのおのの戦技能力を最大限発揮するため、本番までグループ内の連携を強化して競技会に臨んだ。

 開会式で統裁官の松本連隊長は、(1)フォロワーシップの涵養(かんよう)(2)団結の強化(3)安全管理―の3点を要望。「各中隊長を核心に隊員相互の信頼関係を向上させ、信頼関係を勝ち取ることができるよう、競技会に真剣に取り組んでもらいたい」と訓示した。

 【後方競技会】
 各中隊6人で編成された1個チームで競い合い、炊事長の積極かつ的確な指揮の下、野外炊事を実施した。

 本部管理中隊は、「ビーフカレー・シーザーサラダ」、1中隊は「棒棒鶏(ばんばんじー)・豚汁・じゃこご飯」、2中隊は「カキフライ・なめこ汁・パセリご飯」、3中隊は「ポークカレー・ほうれん草和え」、4中隊は「カツカレー・サラダ」、重迫撃砲中隊は「カツカレー・スクランブルエッグ」を調理。各中隊は、与えられた食材をよりおいしくするために具材を別々に煮込んだり、クーラーボックスや野外冷蔵庫により保冷するなどの工夫を凝らし、オリジナリティーあふれる食事を完成させた。

隊員たちは熟練の技で手際よく下ごしらえを行った

カツカレーの準備で具材を煮込む隊員

 【武装走競技会】
 例年にない積雪の中、小銃・個人携行対戦車弾・広帯域多目的無線機などを携行して行う土のう作成や担架搬送を含んだチーム走(4~5人/1個チーム)で実施した。

 各チームは、分隊長を核心にタイムを1秒でも短縮させるため、日頃の錬成成果を最大限発揮して激走。1件の事故もなく競技会を終了した。

 各選手は、中隊の勝利に向け、あくなき執念で競技会に臨んだ結果、武装走競技会では重迫撃砲中隊(中隊長・原田1陸尉)、後方競技会は、1中隊(中隊長・牧田2陸尉)がそれぞれ優勝し、優勝旗と顕彰板が授与された。

 閉会式で統裁官は、「われわれは国土防衛という任務に基づき、平素からの教育訓練により各個・部隊の練度を向上させるため、あらゆる機会を通じて錬成する必要がある。中隊が優勝という目標に向かって一致団結したことが一番の成果である」と訓示し、さらなる精強化に向けて隊員は気持ちを新たにした。

一斉にスタートを切る隊員たち

力を振り絞りながら雪道のコースを走り抜ける隊員

中隊長を胴上げし、優勝の喜びを分かち合った


◆関連リンク
47普通科連隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/macb/47i/index.html