中国機、依然活発 全体の75%

 【2023年1月27日(金)2面】 統合幕僚監部は1月20日、2022年度(令和4)3四半期(4~12月)の航空自衛隊戦闘機による緊急発進(スクランブル)が計612回に上ったと発表した。前年同時期より減少はしたが、中国機(推定含む)が全体の約75%を占めるなど、中国機の活動は依然活発だ。また、5月に続き、今年度2回目となる中国、ロシア両機による長時間の共同飛行も確認されており、防衛省・自衛隊は引き続き警戒を強めている。

 全体の回数は前年度同時期の785回から173回減少した。推定を含め、対象国・地域別では、中国機の462回(前年度比109回減)が最多となった。次いで、ロシア機が全体の約22%にあたる133回(同66回減)となり、13年度(平成25)以降で最も低かった。

 発表によると、今回も中国機による活発な活動を示す顕著な事例がみられた。

今年度2回目、中露の長時間共同飛行も

 日本海から対馬海峡、東シナ海、太平洋を通過する、今年度2回目となる中国のH6爆撃機2機とロシアのTu95爆撃機による長距離にわたる共同飛行(11月30日)があった。この際は、推定中国機2機が爆撃機の東シナ海の飛行時に、また、中国の戦闘機(推定J16)2機が爆撃機の太平洋進出時にそれぞれ合流するという動きもあった。

 また、中国無人機・爆撃機による沖縄本島と宮古島との間の通過や、太平洋における空母「遼寧」からの約320回におよぶ艦載戦闘機、艦載ヘリによる発着艦(12月17~20日、23~31日)などもあった。

 方面隊別では、中国機の動向もあり南西航空方面隊が414回(前年度比111回減)で最も多く、西部航空方面隊の91回(同17回増)、北部航空方面隊の86回(同77回減)、中部航空方面隊の21回(同2回減)が続いた。

 浜田靖一防衛大臣は1月20日の閣議後会見で、「引き続き、警戒監視を万全にし、厳正に対領空侵犯措置を行う」と述べた。

12月は計62回、前月より減少

 統合幕僚監部の1月20日の発表によると、12月の空自戦闘機による月間緊急発進(スクランブル)が62回に上ったことが実施状況で明らかになった。

 発表によると、12月のスクランブルは計62回で、11月より7回減少した。

 国・地域別(推定含む)では、中国が52回(前月比9回増)で最も多く、ロシアの10回(同11回減)が続いた。方面隊別では南西空が49回(同14回増)で最多。