【2023年1月17日(火)2面】 防衛省は1月10日、同日午後0時10分ごろ、山口県の周防大島沖センガイ瀬付近で、海自の護衛艦「いなづま」(艦長・相澤2海佐、乗組員約170人)が自力で航行できない状態となり、現場付近でいかりを下ろし、停泊したと発表した。

 防衛省によると、「いなづま」は伊予灘を航行中、船体に大きな衝撃を認めた。乗組員にけがはなかった。また、周辺の海面には、約30メートル四方にわたって油膜が確認されたが、16日までにほぼ回収されたという。

 広島海上保安部や海自が原因を調べているが、船体のスクリューのプロペラが浅瀬などに接触したことで、スクリューや船体前方のソナーが損傷した可能性があり、損傷部分から油が流出していたという。

 「いなづま」は10日朝、広島県尾道市の因島を出港し、夕方に同県呉市の海自基地に入港する予定だった。

尾道の造船所沖までえい航

 防衛省によると、「いなづま」は15日午前7時52分ごろ、民間えい船により、広島県尾道市にある造船所「ジャパンマリンユナイテッド」の因島事業所沖まで移動した。

 海自では、事故調査委員会を設置し、引き続き原因などを調べる。

 また、海上保安庁は「いなづま」が誤って本来の安全な航路から外れたとみて、業務上過失往来危険の疑いで捜査している。