【2022年12月16日(金)2面】 自衛隊仙台病院(病院長・菊池陸将補)は11月25日、令和4年度「衛生科幹部等集合訓練(第62回東北防衛衛生学会)」を担任・実施した。訓練では、東北地区に所在する衛生科幹部らに対し、防衛衛生学会などの場を活用して、最新の衛生に関する知識を普及するとともに、衛生情報を交換して識能の向上を図った。
新型コロナウイルス感染症の影響のため、学会員らが一堂に会した開催は3年ぶり。例年は部外施設で開催していたが、感染対策に最大限留意するため初の試みである仙台駐体育館を会場に実施した。
学会テーマは「ウィズコロナの時代を生きる」。学会長あいさつでは、「新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは低減傾向にはあるが、いまだ終息の兆しが見られない中でいかに感染対策と通常の社会生活とのバランスを図るかが重要。今後の自衛隊における活動や衛生支援の在り方を考えることを目的とし、改めて統一した知見を習得・整理して任務を完遂していきたい」と力強く宣言し、開会した。
総監「最新の知識・技術、追う努力を」
訓練には東北方面隊管内の衛生科幹部らのほか、海空自、方面隊を合わせて約300人の隊員らが参加。梶原東北方面総監がこれまでの方面隊におけるコロナの対応状況を総括し、衛生科隊員に対する期待として、「最新の知識・技術を追い続ける努力が必要である」との激励があった。
その後、東北大学の小坂教授より「新型コロナウイルス感染症の現状と課題」と題して、國井准教授には「コロナ禍が社会全体のメンタルヘルスに及ぼした影響とその対策」と題する講演があり、今後の対策の糧となる貴重な知識を得ることができた。
午後からは指定演題2題、一般演題8題の発表があり、海空自からは大湊・三沢病院の閉院とその後の衛生支援状況を、各部隊などからは創意工夫による衛生活動などについての発表があった。
各講演や部隊からの演題発表後には、活発な質疑なども見られ、大きな成果を得るとともに盛況のうちに閉会した。
仙台病院は「引き続き東北地区唯一の基幹病院として、地域の皆様と隊員およびご家族などに対する質の高い医療を提供するため精進していく」としている。