確認された中国のH6爆撃機(統幕提供)
【2022年12月7日(水)2面】 中国機とロシア機とみられる爆撃機などによる日本周辺での飛行が11月30日午前から夜にかけ、断続的に実施されていたことが、統合幕僚監部の発表で明らかになった。中には長距離にわたる共同飛行を実施したり、戦闘機が合流するなどしていたことも判明。自衛隊は戦闘機を緊急発進(スクランブル)させて対応した。中国とロシアが連携して行動した可能性もあるとみられ、防衛省は意図や内容の分析にあたるなど、警戒を強めている。
統合幕僚監部によると、11月30日午前、中国の爆撃機(H6)2機が東シナ海から対馬海峡を通過して日本海に進出後、北進。大陸方面へ飛行したことを確認。
同じころ、ロシア機とみられる2機が、日本海を南進し、その後反転して北進。大陸方面へ飛行したことを確認したことを明らかにした。空自西部航空方面隊などの戦闘機を緊急発進させて対応した。
また、同日午後にも、中国のH6爆撃機2機とロシアのTU95爆撃機2機が、日本海から東シナ海、さらには太平洋にかけての長距離にわたる共同飛行を実施したことを確認したと発表した。
これらの爆撃機が東シナ海を飛行する際に推定中国戦闘機2機が合流していたほか、爆撃機が太平洋に進出する際にも、中国の戦闘機(推定J16)2機が合流し、太平洋に進出したことを確認。空自の戦闘機を緊急発進させて対応した。
同日夜には、推定ロシア機(TU95)2機が東シナ海から対馬海峡を通過して日本海に進出後、北進。大陸方面へ飛行したことを確認。西部航空方面隊などの戦闘機を緊急発進させて対応したという。
中ロは今年5月にも、爆撃機が日本海や東シナ海、太平洋で長距離の共同飛行を行うなど、日本周辺で航空機や艦艇が行動をともにするケースが相次いでいる。